嫌な仕事の続け方
息子から久々にLINEが来た。
「おかん、茶しばこ!」
奴から連絡がある時は、仕事の悩みがある時だ。
リビングのエアコンが動かなくなったので、取説を眺めていたら息子がやって来た。
入ってくるなり「暑い暑い」を連発するのですぐに近所のタリーズコーヒーへ避難することに。
ワンコO.K.なのでジャッキーもいっしょに連れて行く。
①仕事の悩み
息子は10年目の中学校の先生32歳。
これまであまりnoteには登場していないかもしれない。
社会人1年目に家から追い出して一人暮らしをさせたので、家を出てから10年になる。
3年前に結婚して別の町に住んでいる。
たまに悩み事があると相談しにくるが、大抵は仕事のことだ。
先生は今般盛んに言われているブラックの現場なので仕方ない。
②世間の言うブラックは平気
しかし彼の悩みは私からすれば少しズレている。
2学年にまたがって教科担当をし(つまり2学年分の授業やテストの準備が必要)、
なぜか2教科を受け持ち、
クラス担任とクラブ顧問を同時にこなしていた時は、
何も文句は言っていなかった。
クラブは土日も長期休暇も出勤。
つまり休みが無くてもだ。
③不適任な仕事
今年度から学校全体を管理運営する役になったらしい。
そのためクラス担任も持ってはいけないし、授業も持ってはいけない。
情報交換のため他校や教育委員会に赴いたり、そこで得られた情報を自校にフィードバックさせるための資料作りが主な仕事。
彼にとってはそれが苦痛で仕方ないらしい。
何よりも子供との関わりが持ちたくて教師になったので、
子供との関わりがクラブ以外には無くて、事務作業や管理作業しかさせて貰えないことが苦痛で仕方ないと。
面白くなくてモチベーションがない。
しかもそれは3年続くと。
なぜそのような管理的な仕事を30代前半の現場大好き人間に割り振ったのかは謎だ。
他校の担当者は大抵45歳以上らしい。
まぁ、普通そうだろう。
④最初から仕事は面白くない
まず、私からすれば仕事なんて面白いものではない。
9割は嫌なことをやっていて、1割くらいが報われる。
嫌な9割は忘れて、1割だけをいつまでも覚えておいて、時々思い出してほっこりしながら仕事を続けた。
そんなもんだ。
嫌な9割も自分なりにオリジナリティを出したり、楽にできるように工夫したりして、もう1割くらいを楽しいことに変えられたらラッキー。
そうこうしているうちに、気がつけば自分も少しだけ成長している。
だから彼には資料つくりは苦手で退屈かもしれないが、任された3年の間にAIを駆使したりして、楽して資料が作れるプロになるとか、
いろんなアイデアで時短を叶えて先生の仕事がブラックでなくなる道筋を作るとか、
いろいろやれることはあるよ。と言っておいた。
彼のいい所は単純なところ。
「そうかなぁ。」と少しだけその気になっていた。
⑤時には逃げることも必要
そうは言っても眠れない、食べれないほど参っていたら、
しばらく仕事から離れて休息することが必要だろう。
息子は今日昼の3時にやって来た。
体調悪くて早退して来たらしい。
それでカフェで母親と「茶しばいている」くらいだから、
彼の場合はまだ大丈夫だろう。