夏草や 強者どもの 夢のあと
魚雷発射試験場の痕跡です。
長崎の東彼杵郡、大崎半島の先端にそれはあります。
その場所を訪うひとも少なく、屋根の抜けたコンクリ造りの建物から繁茂している木の元に涼しい風が通っています。
湿っぽい季節だというのに、空気が冷えている、そんな感覚を味わいます。
この建物は「バケモノの子」の舞台のモデルにもなったそうです。残念ながら未見です。
内部から見上げると、空が切り取られているようで、ああ廃墟マニアというのは、こんなゾわゾわする気分を味わいに来ているのだなあと感じます。
実際にここで兵器実験をしていたわけで。
生と死の狭間にある建物だったわけです。
この試験場跡に隣接して、カヌーを貸し出している店舗がありまして。
そこで求めたカタラーナが、大層美味しいものでした。
なぜに・・・ここでコレなんだろう。
なぜ、と口走るのは口癖なんですが。
こうして沸き起こる感情を、その場を美味しいもので咀嚼して、未消化のままで立ち去ることがあります。何事か他愛もないことに置換して、呑み込む習慣があります。
こうして古い写真を見ていると、沸々とその時の感情が甦ってきます。
カメラというのは感情をも映しとるものですね。