真夏の碧
離島に移住して3年目の夏。
この異世界のような海が日常です。
どこまでも透明で蒼い海、それが目前に広がります。
島にいると見慣れてしまうのですが、陸地の友人たちの感嘆の声を聴くと。いかに自分が日常感から逸脱したリゾートに棲んでいるのだとわかります。
砂岩が風化した白浜と、花崗岩が風化した赤浜。
そのコントラストが胸に迫ります。
同級生から連絡がありまして。
初めてこの島に来てくれると。
宿泊先のキャパが薄いのでなかなか見つからないというので、家に泊まるように勧めました。そうそう、このハイシーズンに対応できるような部屋数を確保したら、冬場には持て余すのです。
地域おこし協力隊の隊員任期が迫り、滅法な方面からもお声がかかります。何故にここまで選択肢が増えているのか。有難いことですが。
離島から抜け出したい思いと、この時期の海を眺めていると逡巡してしまうのです。
基本的に私は怠け者の夢想家なもので。
けれど仕事を纏めていくのも大好物で。
白砂と赤砂に覆われた二面性のある浜。
どこか自分に似通っている気がします。
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