不眠の原因はストレスだけじゃない?血の不足で不眠になる理由とは?〜後編〜【漢方的ヘルスケア】
※配信のミスにより4月11日に配信予定の記事が配信されておりませんでした。前編の配信から1週間も経過してしまい申し訳ございませんでした。
4月9日に配信した前編に引き続き、今回は僕のPodcast番組『コータの漢方RADIO』にいただいたリスナーさんからのご質問にお答えする形で睡眠についてお届けをしております。
どうしても今回のテーマになっている睡眠トラブルというと
『え、眠れないの??何かストレスがあるの?』
と心のトラブルと直結しがちですが、そうではなく血液の状態でも睡眠トラブルが起こりやすいというお話を漢方的な見方、そして西洋医学的な見方、両面から前回はお伝え致しました。
今回は前回の続きということで、ご質問にあった夜間頻尿と睡眠、そして漢方的体質の1つ『血虚』との繋がりについてまずはお届けしながらストレスだけじゃない睡眠トラブルの養生についてお伝えしていきたいと思います。
不眠の原因はストレスだけじゃない?血の不足で不眠になる理由とは?〜後編〜【漢方的ヘルスケア】
というテーマでお届けいたします。
【血の不足から起こる睡眠トラブルと夜中にトイレに起きていしまう関係とは?】
前回よりPodcast番組にいただいたご質問への回答を番組でもしましたが、その時の話の内容を中心にもう少し掘り下げて、noteでもお伝えさせて頂いております。
いただいたご質問を改めてご紹介したいと思います。
いつも楽しく番組を聴かせてもらっております。
以前番組で血虚の方は夜中に目が覚める、夢をよく見るということがあるとお伺いしました。
なぜ血虚だとそのような症状が起きるのでしょうか。
実際私はよく夢を見ます。
また、夜中に2回も起きてトイレに行きます。血虚と睡眠とどんな繋がりがあるのでしょうか教えて下さい。 よろしくお願い申し上げます。
前回は血液が不足気味になっている状態の漢方用語『血虚』と言われる状態だとなぜ睡眠の質が低下するのか?
そのことについてご説明させていただきました。
今回はご質問の中にあったもう一つのキーワード
『夜中にトイレに2回ほどおきてしまう』というものについて考えていきたいと思います。
『夜中にトイレに起きてしまう』
これは睡眠や血虚とどう関係があるのでしょうか?
(血虚については後ほど改めて詳しくご紹介します。血液が質、量ともに不足している、貧血をイメージしていただくとわかりやすいと思います)
『夜間頻尿』というとお年寄りの方の症状と思われがちですが、実は若い方にも見られます。
ある程度の年令になると2回ぐらいまでだと夜間頻尿とは言いませんが、50代〜60代ぐらいまではせめて1回程度にしておきたいものです。
夜間のトイレの回数が増えてしまう原因も実は様々で、お年寄りで腎や膀胱機能が低下して起こる夜間頻尿ももちろんありますがそればかりではありません。
若い方に多い夜間の頻尿の原因はいくつかありますが、ご質問いただいた方の体調から考えると可能性としては2つあると思います。
(もちろん詳しく漢方相談したわけでないので、状況からの推測です)
1つは夢をよく見るような眠りが浅い状態だと通常だとおきない程度の尿意でも目が覚めてしまいます。
通常はよほどの尿意でない限り朝まで目が覚めないことが多いのですが、眠りが浅いとちょっとした尿意でも目が覚めてしまい、トイレに起きてしまうことがあります。
1つ目の理由としてはこのような理由があげられると思います。
【夜間頻尿と睡眠・血虚がつながっている理由の2つ目とは?】
そして2つ目の理由は体の冷えです。
質問者さんは血虚ということなので、血の巡りが悪く、もしかしたらカラダの冷えも強く感じているかもしれません。
冷えを強く感じているようであれば、それも夜間頻尿の原因となります。
血虚で、血液が不足していたり、質が低下している状態は非常にカラダが冷えやすい状態と言えます。
全身を質の良い血液がたっぷり巡っているとカラダもしっかり温まりますが、血虚はその反対になりやすいので、冷え性の大きな原因となります。
どのような原因であれ、カラダが冷えていると、一定の体温を維持するためにカラダは体内の水分を排泄して、冷えにくくすることで、体温を維持しようとします。
スキー場のような、寒い場所に長時間いてトイレが近くなった経験は皆さん1度や2度あるとおもいます。
血虚でカラダが冷えやすくなっており、それに加えて夜寝る時、人間は体温が下がりますから、気温が下がる夜中になるとカラダが冷え過ぎてしまいトイレが近くなってしまう可能性もあるとおもいます。
あとは質問者さんの場合は可能性は低そうですが、水分の過剰摂取、いわゆる水分をがぶ飲みしすぎてしまって、日中汗をあまりかいてないため、夜になってトイレが近くなってしまうこともよくありますが、今回の場合はこの可能性は低いかもしれません。
もし心当たりがあるようでしたら水分の出入りにご注意ください。
今回のnoteはPodcast番組に届いたご質問にお答えさせていただきく形でお伝えしてきましたが、このように睡眠に関するお悩みの原因は実に様々です。
どうしても世間一般では
睡眠トラブル=ストレス
と決めてしまいがちですが、実は今回の質問者さんのように血液の状態からも睡眠の質の低下は起こる不調なので、睡眠でお悩みの方はぜひ、ストレスなど心の問題と決めつけずにお体全体の調子を確認して見ていただきたいと思います。
最後に今回登場した血虚の対策だけお伝えしたいと思います。
【血虚の漢方的養生法】
今回度々登場した血虚ですが、改めてどんな状態かご紹介してから養生法についてお伝えしたいと思います。
血虚とは色んな意味で心とカラダの栄養になる『血』が足りてない状態です。量として足りない、質として足りない、数値的な貧血とはちょっと異なるニュアンスもありますが、貧血をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
しかし漢方的な血虚は検査では貧血とは出ないような方でも『隠れ貧血』といった感じで血の不足による不調が起こることがありますので注意が必要です。
・めまい、たちくらみがする
・顔色が悪い、顔面が蒼白気味
・眠りが浅い
・頭がボーッとしてスッキリしない、考えがまとまりにくい
・目が疲れやすい、かすみやすい
・爪が脆い、割れやすい
・不安や心配をしやすい
・肌が乾燥しやすい
・髪が抜けやすい、枝毛など痛みやすい
・シワが多く老けて見えやすい
・冷えやすい
このような症状が血虚には多く見られます。
まずは血液の不足なので、血液の材料となる食事は非常に重要です。
☆血虚の食養生のポイント
血虚の食養生のポイントは『赤・黒・緑(青)』です。
トマト、人参、イチゴ、なつめ、クコの実、赤身の肉や魚などの赤い食材
黒ごま、黒きくらげ、ひじき、海苔、昆布、わかめなどの黒い食材
そして葉物野菜中心の緑の食べ物を積極的に取りましょう。
すべて血液の源になったり、血液を貯蔵する肝を養ってくれる食材です。
☆生活養生
血虚の方は消耗が激しいか、血を作る力が低下しているかの可能性が高いので、胃腸の調子が悪い方は食べたものから必要なエネルギーを作ることができにくいので、滋養強壮、胃腸に優しい状態の食事を取り(温かく柔らかいもの)、しっかり休息を取りましょう。
夜ふかし、目の使いすぎ(目の使いすぎは血を消耗すると漢方では考えます)、考えすぎには注意しましょう。
長風呂やサウナで汗をかきすぎるのもご注意ください。汗も元は血液です。疲労にもつながるので気をつけましょう。
2回に渡りPodcast番組にいただいたご質問にお答えする形で、血虚の不眠と、血虚対策の養生についてお届けしました。
春は血液貯蔵庫の肝が弱り、血の不足、血虚が起こりやすい時期です。
ぜひ最後の紹介した生活養生なども取り入れながら、しっかり眠れる体調にして春を元気に過ごしましょう。
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