見出し画像

最近読んだエッセイ2冊『旅と料理』『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』

あまりエッセイ本を読んでこなかった人間なのですが、尊敬する知人がおすすめしていた料理家さんの本と、村上春樹氏の本を手に取りました。
読んだのは2冊はこちら。

  • 『旅と料理』

  • 『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』

以下は読書感想文とも呼べぬ感想メモです。

『旅と料理』(細川亜衣 2021年)

料理家である著者が、台湾・中国・韓国・インド・イタリア・フランス・モロッコなどを旅し、そこで出会った人々や料理のエピソードを綴ったエッセイ集です。
数々のレシピや料理の写真も多数掲載されています。

外国の知らない料理にまつわる話を読むと、食欲が刺激されるというよりは、異国の乾いた風や匂いが身体で感じられました。

文章はどちらかといえば淡々として、たとえるなら透明な色ガラスをのぞいているよう。
私はいつも寝る前に少しずつ読んでいたのですが、心地よい文体に、ゆったりと穏やかな気持ちになりました。

著者は「料理」を学ぶために若い頃にイタリアに飛び、その後も研鑽を積み続け、世界中の料理との出会いを求めて旅をしているそうです。
ポエムっぽくいうなら、この著者は料理と恋に落ちたのだなーと思いました。

私はそこまで一途に追いかけ続けているものがないので、うらやましいかぎりです。
「料理」という全世界共通のワードで人々と繋がり、世界中に友人がいるのもうらやましいですね。

「生命維持」とか「栄養と健康」とか「エンターテインメント」といった括りではない、「料理」の一側面をこの本で知ることができてよかったと思います。

細川亜衣氏は他にも何冊も本を出されているようなので、他の本も読んでみたいです。楽しみ。

『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』(村上春樹 2011年)

『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』は村上春樹氏が雑誌「アンアン」に連載していたエッセイをまとめたものらしく、1つ1つがさらっと読めます。

なんとなく、私は村上氏は小説よりもエッセイのほうが好きです。
小説よりも難解さがないので気楽に読めるからかもしれませんし、日常を村上春樹のフィルターで切り取っていること自体が面白いのかもしれません。
小説や文体は特徴的ですけれども、エッセイを読むと案外普通の人だなと感じられて、そこに安心するのかも。

プロ作家として小説へ真面目に向かい合ってはいるけれども、そこにジメジメとした執念や縄張り意識みたいなものがなく、サラッとしているスタンスに憧れます。

それにしても、村上氏の文章の特徴として、よくセックスが出てきますねー。
なんかもうそういうキャラクターだと思っているので、それ自体に驚きはしませんけれども、これが20代女性向けの雑誌に載っていたというのはちょっとびっくりです。


いいなと思ったら応援しよう!

さわこ@物書き
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます。

この記事が参加している募集