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最近読んだ小説3冊『祈りの幕が下りる時』『危険なビーナス』『おいしいごはんが食べられますように』
この頃、意識して毎日小説本を読んでいます。
最近読んだのは3冊はこちら。
『祈りの幕が下りる時』
『危険なビーナス』
『おいしいごはんが食べられますように』
以下はネタバレありの読書感想文とも呼べぬ感想メモです。
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『祈りの幕が下りる時』(東野圭吾 2013年)
加賀恭一郎シリーズの1つ。
これも映画化されていましたね、予告を見た記憶があります。
あいかわらずというか、安心クオリティで面白かったです。
私は加賀恭一郎シリーズは順不同で読んでいるせいで、加賀が若かったり歳をとっていたりするのですが、物語のなかでちゃんと時間も経過していることで、「主人公が生きている」と感じられるのがいいです。
舞台が日本橋で、私も何度か行ったことがあるので、あの地域の街並みや空気感が鮮明によみがえりました。
実在の街が物語の舞台になっている場合、読者の私も現実にその場所へ訪れることができるのがいいですね。
そのうち、私も加賀恭一郎が歩いたであろう足跡を辿ってみたいです。
そういえば、この物語にも原発が出てきますね。
最近『天空の蜂』も読みましたから印象が強いのですが、やっぱり日本の1つの暗部なんだな…と感じました。
『危険なビーナス』(東野圭吾 2016年)
獣医師である主人公の前に、「弟の妻」と名乗る女性が現れる。どうやら弟が行方不明になったらしい。主人公とその女性は、弟を探し出すため、名家に隠された謎に挑むことになり──というお話。
主人公が露骨に美女に弱く、「弟の妻」に振り回されまくる姿は、これまで私が読んできた東野圭吾作品にはあまり見られないタイプのキャラクターで新鮮でした。
「弟の妻」である楓も非常にしたたかで、全方面にファム・ファタールっぷりを発揮し、「謎めいた美女」というキャラクターを物語の最後まで引っ張り続けるその存在感が強烈でした。
確かに「危険なビーナス」ですね。面白かったです。
『おいしいごはんが食べられますように』(高瀬隼子 2022年)
図書館で予約していた本でした。
私これ、何の前情報も知らないまま読んだんですね。
読み終わったあとに「……???」という心のざわつきを解消するためにネット検索し、第167回芥川賞の受賞作だったことを知りました。
どおりで図書館の予約もいっぱいだし、一時期は本屋の店頭で必ず見たわけだ。
忘れた頃に順番がやってきて、いそいそと読んだのですが、なんかこう、タイトルから「おいしいごはんを食べて心が温まってほっこり♡」みたいなものを想像していたので、お通夜みたいな顔になってしまいました。
なんで楽しい読書タイムでこんな気分にならなきゃいけないんだよォトホホ。
ケーキをここまでマズそうに描写できるもんなのかとびっくりしました。
地の文でキャラクターの心情があけすけに書かれているわけですが、「それ、わかるな…」「いや、わからないよ…」 の間を反復横跳びして、ある意味で新鮮な読書体験だったかもしれません。
どのキャラクターにも感情移入はできず、まぁ時折「それはわかる」という感覚もなくはなかったのですが、とりあえず主人公(男性)は病みすぎだろ…と思いました。カウンセリングを勧めたい。
ラストを見るかぎり、彼の未来には、どうも明るい希望に満ちた世界は待っていなさそうだから。
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