研究業績(6)『一遍聖絵』における助動詞「き」―「昔」と「今」、二つの枠組み―
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rn3cc9@bma.biglobe.ne.jp〔矢崎佐和子〕
『一遍聖絵』における助動詞「き」―「昔」と「今」、二つの枠組み―
2011年12月1日 『解釈』(解釈学会)第57巻-第11・12号(663集)〔査読有〕
『一遍聖絵』の表現上の特徴とは、(1)「昔…き」という枠による歴史的事実の提示と、詞書の筆者・聖戒の体験に基づく「き」によって一遍を記録する叙述とが並行することと、(2)「昔」から「今」、そして「未来」を志向するもう一つの枠が存在することにより、「一遍」という個性によって体現された「一回性」「個別性」と、仏教的真理としての「普遍性」「回帰性」を合わせ持つ「聖」を表現するにふさわしい文体にある。(pp.26-34)