ミニマルに生活するためのヒント 引っ越すつもりでモノを選別する
夫婦と猫の三人で、小さなマンションに住んでいる。
リビングにはAVボードにテーブルと椅子、キャットタワー。
寝室にはリモートワーク用のデスク。
キッチンには4段のキッチンボード。
ウォークインクローゼット内のチェストや本棚を除くと、我が家にある家具は以上である。
これ以上増やしたくないし、増やす予定もない。
リビングや寝室に「なんでも入れられるチェスト」や「スマホやコーヒーを置いておけるナイトテーブル」、「散らかったものを放り込んでおけるカゴ」などは存在しない。
あれば便利かもしれないが、我が家は利便性よりも快適性の方が優先順位が高い。
快適性を求めていったら自然と利便性が高くなった、というのもある。
かつてモノに溢れた家に住んでいた我々夫婦は、収納や家具があるとそれだけモノが増えていってしまうことを身をもって経験している。
そして、「家の中に無意味なモノがある」ということが生活の中でノイズになり、蓄積されてストレスにつながるということも知っている。
引っ越すつもりでモノを選別する
引っ越しはモノを減らせる大きなチャンスだ。広いところから狭いところへの引っ越しなら、なおさらである。
モノが溢れていて何から捨てていいか分からない、減らしたつもりなのにまだ無駄が多い気がする、という人は、引っ越しをするつもりでモノの選別をしてみてはいかがだろうか。
仕舞い込んでいたモノ、忘れていたモノ、あまり気に入っていなかった(が故に仕舞い込んで忘れていた)モノが次々と発掘される。
「そうしてこんなモノを残しておいたのだろう」
「新居にわざわざ気に入っていないモノを持って行きたくはない」
と、本来であれば考えるまでもなく即ゴミ袋に突っ込むようなモノが溢れていたことに気付けるかもしれない。
結果的に所有するモノが減り、「こんなに大きい収納、いらないかも」と、さらにもう一歩踏み込んだ整理ができるかもしれない。
実際に引っ越しはしなくても、モノを減らし、収納類を見直し、今の自分が必要なモノ・大切なモノだけを厳選することができたら、引っ越したかのような新鮮な気持ちになれるだろう。
履き心地の悪いスニーカー、書けないボールペン、複数ある栓抜き、キャンペーンで貰ったロゴ入りタンブラー、ダメージの激しい汚れた靴下、気に入っていない食器。
家にあるモノを「新居に持っていく」という基準で見てみると、それまで「なんとなく」使っていたモノの価値が露わになる。
今の家に引っ越してきた時、限られたスペースを有効活用しようと思ったはずだ。それなのに不要なモノが空間を埋め尽くしているということに気付いたなら、今この瞬間、この家に引っ越してきた気分で目の前のモノを厳選し、理想の家にしていこうではないか。
自分にとっての適量を知る
お気に入りのモノ、大切なモノ、必要なモノ。
好きなモノ、必要なモノに囲まれて新生活をスタートさせよう、そんな気持ちでモノを厳選していくと、徐々に自分が管理できる者の適量・限界値に気付くはずだ。
こんなにモノを持っていたのに「忘れていた」。
こんなにモノを持っていたのに「お気に入りはたったこれだけだった」。
モノはある一定以上の数になると、その存在を忘れてしまう可能性が高い。
人間の記憶領域には、限界があるのだ。
不要なモノが増え、大切なモノが埋もれてしまうーー。
そうならない為にも、自分が管理できるモノの限界量を認識することは重要である。
必要なモノ、大切なモノ、お気に入りのモノだけが揃った家。
引っ越してきた時の気持ちを思い出しながら、家の中にあるモノたちと向き合って見てはいかがだろうか。
「あっ」と気付いた時に読み返すので、この本は捨てずにとってある。