OPPAって、オーピーピーエーなの?オッパなの?【読書のキロク・自分的保存版】
こんばんは、"もっちゃん”です。
巷で噂の「OPPA」を皆さんご存知でしょうか。
OPPAと聞くと、まずカンナムスタイルが頭をよぎるのは私だけではないのではないでしょうか。教員として、まだまだ勉強が足りていないように感じております。
今回取り上げたいOPPAとは、「一枚ポートフォリオ評価」のことを指します。
OPPA:One Page Portfolio Assessment
ということです。そのままの意味ですね。
教職大学院生を筆頭に、かなり広まりつつあるOPPAについて概観したいと思い、今回の本を選びました。
今回は【読書のキロク・自分的保存版】になります。
◯今回読んだ本:『新訂 一枚ポートフォリオ評価OPPA 一枚の用紙の可能性』 著者:堀哲夫 東洋館出版社
最近では非常にメジャーになってきたOPPAについて、考案者から開発の流れから実施の方法も含めて、網羅的に書かれた本になります。
⓪概要
「資質・能力の育成」ということが語られて久しい現在、その育成を目指したものであり、注目度も高いと思われます。
ネットで少し検索すると、OPPAを用いて行なった授業実践記録等も多数ヒットします。今回はその実践例を取り上げるというより、OPPAの概観といったイメージで読んでいただければ幸いです。
①OPPAとは?
改めてOPPAとは何か、少し備忘録的に記しておきたいと思います。
OPPA:One Page Portfolio Assessment
著者の堀氏が2002年に開発したもので、日本語で言えば「一枚ポートフォリオ評価」となります。
本書内の言葉で言えば、
となります。
学習者が授業のたびに残していったポートフォリオをもとに、授業者がそれに対して都度コメントを返していく。
単元の終わりには、それが1枚のシートととなり、学習者の学びの履歴として残っていくわけです。
学習者にとっては、自分の学びの履歴を残し、自分の学習についてメタ的に振り返ることができる。
授業者にとっては、学習者の学びの様子を参照し、自身の授業の評価・改善につながる。
といったように、利用すると数々の利点があるように思われます。
個人的に印象的なのは、OPPAとはあくまで“学習者の自己評価”であるということでしょうか。
評価というと、教師側からの学習者の到達度等に関わる評価ばかり連想しがちではありますが、そもそもの前提からOPPAでは異なるように思います。
むしろOPPAで用いたシート自体を教員側からの学習活動への評価に用いるのは適切ではない、とのこと。
目的をしっかり理解した上で用いるべきものになりますね。
なお、この辺は本書では非常にわかりやすい図や例を用いて説明してあります。
そちらを引用するのは気が引けるので、気になる方は本をご参照いただければ幸いです。
②OPPシートの構成
OPPシート(OPPAに用いる、生徒が書き込むシートのこと)に載せられる事項について、少し書いておきたいと思います。
OPPシートに書かれる中心となるのは
「その単元の一番本質的な問い」
です。
簡単に言えば、その「本質的な問い」に対する答えが、学習前と後でどのように変化しているのか。
その変化に至るまでの授業の中で、それぞれどのように考えてきたのか。
ということが1枚のシートに残るわけです。
それぞれの授業の履歴としては、
「授業の一番大切なこと」
を学習者のことばで記録させる形になります。
見た目としては基本的には非常にシンプルなものになるかと思います。
大きな紙に枠と問いのみが記されているだけでもOKです。
中にはイラスト等を用いたり、ビジュアル的に素敵なものもたくさんあるようですが、機能的にはシンプルなものでもなんら変わりないように思います。
最近私の周囲では、「振り返りシート」を各単元ごとに準備し、毎時間の振り返りを蓄積していくスタイル(中には自己評価等も含まれるものも)が爆増しています。
大元に立ち返ると、このOPPAの考え方が反映されているとも思います。
個人的には、「振り返り」として漠然と書いてもらうより、「授業の一番大切なこと」として書いてもらった方が、学習者にとっても授業者にとっても良い気がします。
③なぜ今OPPA?
OPPAが開発されたのは2002年。
20年以上前に開発されたメソッド(?)になぜ今立ち返っているかというと、
「主体的に学習に取り組む態度」の評価
が最近非常に頭にチラつくからです。
多くの先生方が、突っ込まれるとドキッとする観点ではないでしょうか。
主体的に学習に取り組む態度の評価については主に2つの側面を対象とすると言われていると思います。
一つは、粘り強く学習に取り組もうとする側面
もう一つは、自らの学習を調整しようとする側面
かと思います。個人的にはその2点目、「自らの学習を調整しようとする側面」を促すための一手として、このOPPAは位置づくようにも思います。
指導と評価の一体化が囁かれる昨今、まずは評価対象を向上させていく、促していくことを考える必要があると思います。
そのための一つの手段として、現在適当なものではないかと思いました。
④タブレットでもいけるか!?
自分の中で興味があるのは、OPPAはタブレットでもいけるか!?というところです。
自分が昨年まで授業をやってきた中で、タブレットでの学習(私は主にロイロノートを使っていました)は非常に効率的で便利であった一方、
不安な点として、
学習者の学習履歴がとっ散らかってしまっている
ということがありました。
タブレットのみだとそれが不安だったもので、
振り返りシートは別刷で用意したりもしていました。
一人一台端末が実現されている現在、うまくOPPシートをタブレット内に組み込み、より活用していければと思います。
もちろん論文を検索してみると、サーバー上に置いた例とか、さまざまな実践事例があります。自分の中で消化して実践していきたいものです。
タブレットの利点の1つに
「フィードバックの速さ、便利さ」
があると思います。
効果的に活用できれば、OPPAの効果を相乗的に上げていくものになるのではないかと思っています。
⑤授業者にとってのOPPA
ここまでいろいろ書いてきましたが、自分の中で一番興味があるのは、
「授業者がOPPAをいかに生かすか」
ということです。
日々の授業を組み立てていく中で、学習者の自己評価をいかにして把握し、自身の授業を構成していくのか、というプロセスは非常に興味深いです。
OPPAの中でも、とくに"形成的評価”をどのように生かすか、といったことになるでしょうか。
これに関してはまだ理解が至っていない部分ですので、今後も考えていきたいところです。
本書では「教師用OPPシート」というものも紹介されています。それが実施の中でどのように修正されていくのかという点は、とても興味深いです。
まとまりはありませんが、そんなことを考えました!
教職大学院においては、研究の中で用いる方も多いと思うので、引き続き理解を深めていきたいと思っております。
詳しい方いらっしゃいましたら、教えてください。
(私も中途半端な理解で間違い等あったら申し訳ありません)
自己紹介はこちらから。
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