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思春期の思いを考えた1冊【読書のキロク・Audible】

こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

日々Audibleを聴く事が日課になってきています。
だんだん、どれを聞けば良いのか迷うレベルになってきてはいるのですが、次々に新作も公開され、退屈しない毎日を送っています。

私は最近はあまり小説を読むことはないのですが、たまにリフレッシュも兼ねて読むことがあります。

また、学校に勤務しているときは、たまに中学生が読んでいた小説を借りて読んだりすることもあります。

なんとなく自分好みの本ばかり読んでいると、中学生の感覚とチューニングがずれてしまう感じもしていて…。

今回もそんな感じで読んだ(聴いた)1冊です。

◯今回聴いた本:『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』 著者:汐見夏衛 スターツ出版文庫

Amazonの商品ページで申し訳ありません。

昨年度、生徒におすすめされつつも、読むことのなかった1冊です。
最近映画化もされたようで、世間では少しブームになったのでしょうか…?

その辺のアンテナがもはやなくなってしまっていたようで、よく知りません…。
このまま中学校現場との乖離が大きくなってしまわないように気をつけていきたいと思います。

◯概要

親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった――。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。涙なくしては読めない、怒濤のラストは圧巻!

上記ホームページ商品説明より引用

いわゆるタイムスリップ作品とでも言うのでしょうか。ありきたりすぎる設定ながらも、新鮮な感覚を覚えながら、最後までドキドキしながら読み進めることができる作品でした。

◯中学生の感覚にドンピシャ!

読んでいて(聴いていて)、私自身中学生に戻ってしまったのではないか、と思うような作品でした。

平易かつストレートな表現はわかりやすく、それでいて拙さをあまり感じさせない文章は、とても素晴らしいと思いました。

自分も中学生くらいの感覚を持ちながら、おそらく子どもと同じようにドキドキ・ワクワクしながら読んでいました。

戦時中を舞台としながら、いわゆる露骨だったりドロドロしていたりグロテスクだったりという描写をうまく避け、読みやすくなっています。

また、戦争に関しても、小中学校で習うくらいの知識がベースとなっていて、それでいて“戦争”というものについて考えるきっかけとなりうる作品だと思います。

非常に中学生、高校生の感覚にチューニングされた作品だと思いました。

調べてみると、作者の汐見夏衛氏は元高校教員とのこと。

…やっぱりな。

という感覚です。やっぱり、教員の方々(教員を目指す方々)って、良い意味でこういう感性を持っている方が多いように思います。

あるいは、教員をやっていく中で、こうした感覚が身についていくものでもあるのではないかなぁと思います。

いろいろな意味で勉強になった作品でした。

◯タイムスリップ・タイムリープ・タイムトラベルものについて

作品の内容はフレッシュすぎて、私が内容に言及するのは恥ずかしいくらいです。
きっと聴きながら車の中で私はニヤついていたと思います。

こういう青春モノ(?)は私には向いていません。

ですので、少しタイムスリップという点で書きたいと思います。

昔からこうした作品は多々あると思います。
最近ではテルマエ・ロマエがすぐ頭に浮かぶ感じですね。
(もはや古いかもしれませんが…。)

ただ、いまだに自分としては「タイムスリップ」「タイムリープ」「タイムトラベル」の区別が正しくできているのかがよくわかりません。

今回の作品は、主人公が意図せず防空壕で寝ていたら戦時中に行ってしまう、といったスタートです。

イメージ的には「タイムスリップ」です。
気づいたら時間がずれていた、という感覚がタイムスリップ。

個人的には「タイムリープ」「タイムトラベル」の感覚がよくわかりません。
「タイムリープ」と言えば「時をかける少女」ですが、タイムトラベルとはどう違うのでしょうか。

「タイムトラベル」というと、ドラえもんとかバック・トゥ・ザ・フューチャーが思い浮かびます。

時間や時代をを可逆的にあっちこっちに移動する感じがトラベル、そうではなく短い期間をやり直す的な感じがリープでしょうか。


まぁこんなこと考えていても、学術的に定義があるわけではないし、だれかが作った言葉でしょうから、どうでもいいんですけどね。

自分がいろいろなものを整理する上で、カテゴリがあると便利だなとは思うだけで。

◯Audibleの弊害?

Audibleはいろいろな作品に出会わせてくれる感じで、本当に楽しいものと思います。

ただ、聴いていて思う事があります。

本書では「ユリ」と「アキラ」という人物が出てくるのですが、その表記が聞いているだけではわからない、ということです。

今回、この記事を書くにあたって少し調べたから「百合」「彰」だとわかったものの、聴き終わってからです。

このあたり、何気に重要ではないでしょうか。私だけ?

なにげに「ユリ」と「アキラ」が「裕梨」と「晶」とかの表記だったら、また受ける印象が変わってくると思います。
(すみません、「裕梨」と「晶」を使ったのには意味はありません。)

この辺がある意味Audibleの面白いところでもあり、Audibleの弊害でもあるように思います。

うまく付き合いながら楽しんでいけると良いと思いました。


そんなことを考えた1冊でした!

初夏に青春を感じる1冊ということで、おすすめです。
気が向いたら映画も観てみようかな。

自己紹介はこちらから。






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