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自由研究、やっていますか?【論文備忘録】

こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。

もう夏休みも終わって1ヶ月となります。
ですが、ふと思い立って見つけた論文を今回は記録として残そうと思います。

夏休みといえば、「自由研究」
これは理科の教員だけかもしれませんね。しかも中学校の。

この独特の風習を扱った論文が面白いと思って、一気に読んでしまいました。

⓪今回取り上げる論文:海野桃子・安藤秀俊(2009).中学校における理科の自由研究の現状 : 教科書での取り扱いと中学生の意識. 理科教育学研究. 50 巻 2 号 p. 11-19

自由研究に関して、
「どのように自由研究を支援するか」
といった文脈から書かれたものはけっこう目にすることが多いですが、

実際に中学生がどのように感じているのか

ということについて、しっかり調べてまとめたものって、あまりないように思います。その珍しさもあってチョイスしました。

①要旨

本論文の抄録をそのまま転載させていただきます。

現在,理科の自由研究は長期休業中の課題として小・中学校等で広く取り組まれており,教科書にも多くのページを割いてその指導方法が紹介されている。しかし,理科の自由研究の作品とその教科書での記載に関する考察的な研究はなされておらず,中学校における自由研究に対する実態調査もあまり行われていない。そこで,まず教科書における自由研究の取り扱いを詳細に検討したところ, 自由研究の方法や具体的な事例が多く示されていることが明らかになった。また,理科の自由研究の現状を把握する日的で,中学校においてアンケート調査を行い, 自由研究に対して生徒の意識が肯定的か否定的か,また,学年差,男女差などの検定を行った。その結果,中学校では理科の自由研究に対して,「やる気度」や「頑張り度」は強く,有意に肯定的な意識を持っているものの,「楽しさ度」や「役立ち度」などでは否定的な意識がうかがえた。今後,理科教師はこれらの点を踏まえた指導や支援をしていくことが重要と考えられた。

本論文抄録を転載

本論文では、「教科書における自由研究の取り扱い」も含めて論じています。

ですが、個人的に興味があったのは後半部。生徒がどのように感じているのかという部分です。

②自由研究は好きですか?嫌いですか?

それぞれシンプルな質問項目になります。
やはり目を引くのは

夏休みの理科の自由研究をするのは好きですか、嫌いですか

とどストレートに聞いている項目です。

正直、私にこんなことをストレートに聞く勇気はありません。

しかもけっこう生徒は正直に答えてくれている感じがします。


そんなに好きじゃない!笑

もちろん地域や学校によって差がある項目だと思います。
きっと別の集団に対して実施したら変わるものだと思うので、一概にそうとは言えない項目だと思います。

ただ、自由研究をやらせる(課題として出す)上で、踏まえなければならない項目だとも思います。

③自由研究を課題として出すか!?

思えば、娘の通う小学校もそうですが、
自由研究が課題として出されることは少なくなってきている
ように思います。

正しくは、必須の課題ではない、という感じでしょうか。
やりたければやったら良い
というスタイル。

本論文は2009年のものになります。

こうした研究の積み重ねもあってか、自由研究のあり方も変わってきているのかもしれません。

自分の周りでも、課題として出していらっしゃる方は、年々減ってきているようにも思います。
正直、課題として出したときに、
子どもたちへのフィードバックや授業での活用が大変
という教師側の事情もあるような気はします。

それでも私は、ぜひ子どもたちにはやってほしい!

④自由研究の良いところ

個人的には、自由研究だし、
好きなことを追究できるというのは楽しいこと
という認識でいます。

そうした感覚を、小中学生のうちに持っておくことって、とても大事なような気がします。

現在、「探究学習」とか「STEAM教育」とか、いろいろ言われているところだと思います。

中学校ではそこまでかもしれませんが、高等学校ではわりとホットな話題のようにも思います。

その前段階としても、
子どもたちがテーマを設定して探究する活動
を多く含む自由研究は、良いのではないでしょうか。練習という意味でも。

⑤自由研究を支援する活動はたくさん

理科教員の中には、自由研究を推奨する方々も一定数いると思います。

たとえばこれ。

『月刊 理科の教育2023年11月号』(東洋館出版社)では、
「子どもたちの自由研究をどう支援するか」
ということが特集で組まれています。

こうした視点は自分はとても良いと思います。

それぞれの学校の現状を踏まえつつ、自由研究を支援していくことができるように、自分としても考えていきたいと思います。


そんなことを考えた論文でした!

時を経ても使えそうなところはたくさんあるので、自分の研究としても少し取り入れてみたいと思いました。

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