抗不安薬由来の眠気を改善する方法
パニック障害の治療のためには抗不安薬を飲む必要がある
今回は抗不安薬由来の眠気をどう改善すれば良いのかについて書いていきたいと思います。
パニック障害や不安障害の治療には抗不安薬が多く用いられます。もちろんそれを服用して不安だけが無くなれば良いのですが、服用と同時に眠気が日中に襲ってくる場合があります。
特にパニック発作や不安発作を一日中抑えようとするとどうしても長時間型の抗不安薬を服用することになるわけですが、そうした薬は眠気が出やすいです。
例えば私の場合はパニック障害や社交不安障害の治療のためにメイラックスを飲んでいますが、効果持続時間が120時間もある薬なので日中に眠気に襲われることもしばしばあります。
そこでその眠気をどう改善させて行けば良いのでしょうか。
眠気対策①ADHD治療薬を使う
眠気対策として最も効果的だと思われるのがADHD治療薬を使うことです。コンサータやストラテラはADHD由来の眠気に効果があると言われています。
なぜならADHDという病気も日中に眠気が出ることが多く、ADHD治療薬の多くは交感神経に効くことによって眠気を抑えてくれるのです。簡単に言えば頭を覚醒させることで眠気を防いでくれます。
一つの例として、私はストラテラを使っています。朝に40mg飲むと頭が冴える感じがして眠気が来るのを抑えてくれます。
基本的に不安障害で抗不安薬を使っている人がADHD治療薬を使う場合は、コンサータではなくストラテラを使った方が良いと思います。
ストラテラは中枢神経を興奮させる効果がないのでパニック発作や不安発作を悪化させるリスクが少ないと思われます。
それに対してコンサータは中枢神経刺激作用があるので、不安発作や焦燥感を増悪させてしまうリスクがあります。特にパニック障害は自律神経系がおかしくなってなる病気なので、自律神経をいじるコンサータを眠気対策として使うのはやめた方が良いでしょう。
眠気対策②抗不安薬の量を減らす
また、眠気がすごいのだったら、単に抗不安薬の量を減らすと言うのも一つの手段だと思います。例えば抗不安薬を2mg使って眠い場合は1.5mgに減らしてみるとか、抗不安薬を減量してみるのも良いと思います。
ただ、それによって元の不安障害が悪化してしまっては元も子もありません。抗不安薬を使うことになった原因である元の病気を悪化させない範囲で減量していくと良いでしょう。
それもいきなり大きく量を減らすのではなく、毎日少しずつ量を減らしていくのが良いと思います。
たとえば抗不安薬を2mg服用している状態なのであれば、2mg→1.5mg→2mg→1.5mgというふうに隔日で量を調整していくという方法があります。
いきなり2mgから1.5mgに減らしてしまうと抗不安薬は依存性や耐性の問題があるので、離脱症状が出てしまう人も少なくありません。
隔日で量を調整してできるだけ離脱症状をコントロールしていくのが良い減量方法となるでしょう。
眠気対策③ドパミンやノルアドレナリン作動薬を使う
他に抗不安薬由来の眠気を改善させてくれる可能性のある薬物としてはドパミンやノルアドレナリンに作用する薬が挙げられます。
具体的にはブプロピオンやエビリファイなどです。ドパミンやノルアドレナリンは脳が覚醒する際に使われる物質なので、これらの薬物を服用することで眠気を飛ばすことができます。
ただ、特にドパミンに作用する薬はパニック障害を悪化させると言われています。コーヒーのカフェインがパニック障害に悪いのと同じ原理です。
パニック障害を持っている人は眠気を飛ばす目的で服用した物質が原因でパニック障害を悪化させないように気をつけないといけません。