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“何もしない時間”が、穏やかな親子関係をつくる

仕事や家事など、毎日の目まぐるしさに追われて、行動の遅い子どもにイライラし、「早くして!」「急いで!」が口癖になっていないだろうか。

子どもを叱った後に、「本当はもっと穏やかな気持ちで過ごしたいのに…」と、自己嫌悪に陥る瞬間もあるだろう。

今回は、毎日を忙しく過ごす親御さんに向けて、穏やかな親子関係を築くための「何もしない時間」のススメを提案したい。

「ごめんなさい。でもママの怒った顔、怖い」と言われ、ハッとした話。

私はもともと、せっかちな性格で、合理的なことを好むタイプだ。
この性格で、子育てをしていると、イライラにぶつかることが多い。

着替えや食事、片付けーー。
親から見ると、子どもの行動はすべてがスローペースだ。

それをサポートするのが親の役目、と分かってはいるけれど、毎日のこととなると、気持ちにゆとりが持てない日もある。

とある日のわが家の出来事。子どもが幼稚園から帰宅してパンツ一枚でふざけていたことがあった。

私はいつまでも着替えを終えない子どもの姿にイラっとし、「もう着替えるだけなのに、いつまでかかってるの!!カバンだって、また玄関に置きっ放しにして!!」とキツく叱った。

すると、「ごめんなさい。でもママの怒った顔、怖い」としょんぼりする次男。彼の悲しそうな表情を見て、「ああ、これを当たり前にしちゃいけないな」と深く反省した。

それ以来、私は、TODOリストでぎっしりの手帳の中に「空白の時間」を作り、その時間は“何もせずに、のんびりとした親子の時間を最優先にする”と決めた。

忙しい日常に「何もしない時間」を作る秘訣

午後に「何もしない」ひとときを過ごすために、私は「時間の濃淡」を大切にしている。

午前中から子どもが幼稚園から帰るまでの時間は、効率や生産性を重視した活動時間。この時間に、ほとんどの家事と仕事を片付ける。

子どもが幼稚園から帰宅する15時すぎから夕飯作りを始める16時半までの時間は、「親子でのんびり休む時間」と決めている

子どもたちには「着替えと手洗いを済ませてから遊ぼうね」と伝えるが、たいていその通りにはならない。

とくに下の子は着替えに時間がかかるタイプなので、帰宅後は玄関に荷物を投げ出して、制服のまま外遊びを始めることが多い。

本音を言うと「ああ、片付けしてほしい」「制服が汚れる」と思うこともあるが、「まあ、それでもいいか。片付けはあとですればいいし。すでに制服も汚れるし」と諦めも半分で、割り切るようにしている。

子どもに「あれやって!」「これはだめ!」と、指図もしないし、当然、私も何もしない。

「何もしない時間」が親子にもたらした効果

「何もしない時間」が生み出す効果として大きかったのは、「脳が休まること」だ。

以前の私は、空き時間ができると「何かしなきゃ!」と思う癖があった。

ぼーっとする時間は「もったいない」と感じて、なんとなくスマホでニュースやSNSをチェックしたり、考え事をノートに記録したり……。

頭の中で、せわしなく思考を巡らせ、情報過多によって常に頭や心が疲労している状態だった。自分で自分を追い込み、余計なストレスを生み出していたように思う。

あえて何もしない時間を作ったことで、その思考癖を断ち切ることができ、心穏やかに過ごせる時間が増えた

子どもにとっても「何もしない時間」をつくることは重要だと考える。

幼児といえども、彼らだって幼稚園にいるときは、さまざまな活動に追われている。

「次は体操の時間」「給食のお当番!」など、幼稚園では先生にあれこれ指図されながら忙しく頑張っているのだろう。

せめて平日の午後ぐらいは、「子どもらしく、自由に過ごせる時間を作ること」が子どもの情緒の安定にも繋がると感じている。

「何もしない時間」を実践する方法

「何もしない」というのは実際にやってみると、結構難しい。

最初は5分でも、10分でも短い時間から始めて、少しずつ時間を伸ばしてみるのがおすすめだ。

その時間はスマホをオフにして、呼吸に集中したり、目の前に見える景色をぼんやりと観察しながら、ぼーっと過ごす

仕事、家事、育児などの「生産性」は一切考えない

慣れてくると、ぼんやり過ごす時間が心地よくなり、子どもがたのしそうに遊ぶ姿に癒され、幸せな気分に浸れる。

何も予定を入れずに、ただただのんびりと過ごす時間

あなたも日常の中に取り入れてみてはいかがだろうか。


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