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娘と行った初めてのオペラ鑑賞
5月5日
アメリカ最古のオペラハウス
「The Academy of Music」で、
プッチーニの「蝶々夫人」を観てきた。
この日は、まさかの
「早朝からフィラデルフィアマラソンが行われます」とのメールが届き、1時頃まで劇場前の道が通行止めになるとのこと。
それって、ちょうど私たちが到着する頃?駐車場まで行けるのだろうか?
ドキドキしながらGoogleマップの渋滞情報を確認すると、意外にもスムーズに流れている様子。
無事に到着して予約していた駐車場にもすんなり入ることが出来た。
後から写真で見ると凄い参加者!
沿道からエールを送りたかったな。
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この日は朝から降ったり止んだり、マラソンの間はなんとか持ち越してくれた雨も、私達が到着する頃には土砂降りになっていた。折りたたみ傘を畳みながら劇場に入るとロビーは人でごった返している。
まずはおトイレに行き、そこで既にテンションが上がる。シンプルでモダンな物よりも個性やキャラクターがある物が好きな娘も気に入った様子。とにかくごった返していたので、いつかイベントがない時にゆっくり中を見学して見たい。
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googleより拝借
そして、
ドキドキしながら劇場のドアを開けると...
その瞬間から宝石箱に入った様に圧倒される美しさ…
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オペラの前に「Opera Overtures」が聴けるとのお知らせがあり、体験出来る事は全て参加してみた。
「席は決まってないのかな?座っちゃいけないんじゃない?」と娘が恐縮するほど舞台の近くの席でお話しを聞くことが出来た。
内容には気になることもあったけれど、娘は予めいろいろ検索していたようで、話される内容に「100年前はそうだったと書いてあったよ。」
といたって冷静に受け止めている。
そして、pre-performance talkが終わり自分達の席へ移動。
雰囲気だけでも味わえたらいいかなと購入したのはリーズナブルな最上階の1番後ろの席。
ゼイゼイしながら階段を上がるけど、1階、2階と書かれていない。
「とにかく最上階まで行けばいいから。」と私。
「Family circleの次がAmphitheatreか。」とチケットを確認する娘。
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無事に階段を上り詰め、ドアの前で席を丁寧に案内していただいてホッとひと息。
見たことのない光り輝く大きなシャンデリアを目の前に、劇場全体を見渡しながらうっとりしていた。
最上階も素敵な眺めだ。
すると冷静な娘が
「シャンデリアがちょうど中央にあって舞台が見えないよね。」
「ほんとだ!えっ?まさか音声だけの席?やっぱり1番安い$29だから?」と私。
すると「$39ってチケットに書いてあるけど?」と娘。
そうだ、1番安いのもアレだから気持ちひとつ上にしたのを忘れていた。
実際に来てみると「ひとつじゃなく、ふたつくらい頑張っても良かったかも」と見たい欲が出てくる。
でも、隣の$29のお席との違いが分からない、汗。
下を向いてスマホで確認していると、娘が腕をつついて
「Look!!」
顔を上げると大きなシャンデリアがスーっと上に上がって行く!
これには、2人で「Wow〜」
視界がクリアになった。
全てに驚いている様子を見ていたお隣に座られているイタリア人の紳士が「これを持って来てるから必要なら声かけてね」とオペラグラスを見せてくれた。
貸していただいたそれを覗くと、演者だけをフォーカスされるスポットライトの様に良く見える。
「だからオペラグラスって言うんだね」と頷くわたし達。
何もかもが新鮮で楽しい。
タイムスリップ出来る場所や音楽はいいな。
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オーケストラは舞台手前の地下に埋まっている感じで演奏されている。
そこから広がる音の迫力と繊細さには心奪われた。
そして、まるで楽器を奏でるかの様な美しくて力強い歌声にも圧倒!
あの声で最後まで歌い切るのは本当に凄いことだ。
ブラボー!!
鳥肌がたった。
あらすじはこちらの動画から
今回の舞台は蝶々さんの人形と黒子さん、Yukiさんによるプロジェクションに、テーブルがひとつのシンプルなセット。
古代ローマや、中国の皇帝の様な衣装の好きな娘はキラキラのオペラを想像していたかもしれない。
NYで「Turandot」を鑑賞された大江千里さんの記事を読んで、
さすがNY!こんな風に音楽家の方にオペラを分かりやすく説明していただけるなんて、
これからオペラ体験して見よう!と言う方にオススメ。単品で購入の記事になっているので是非♪
帰りに「ご飯を食べて帰ろか。」と駐車場まで歩いて隣を見ると
「ひとりでゆっくり街の散策したいって言ってたよね。今から友達が迎えに来るから。Love you and I’ll text you!!」
と言って娘は消えてしまった。
幼なじみの子がフィラデルフィアの大学に通っているから「会おうよ!」となったようだ。
まあ確かに、ひとりでのんびりと浸りたい気分だったし、一緒にオペラハウスに来れただけでも母は満足。
降っていた雨も上がり、日曜日の夕方の静かなフィラデルフィアの街をコーヒー片手に歩いた。
ランナーや観光客で賑わっていた通りも、そんな気配を感じさせないほど静まり返っている。
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後から知ったけれど、「蝶々夫人」はフィラデルフィアの弁護士ジョン・ルーサー・ロングさんの短編小説らしい。
そして、Academy of Musicを設計された、建築家Napoleon Eugene Charles Henry LeBrun (January 2, 1821 – July 9, 1901) さんの若かりし頃の初めてのプロジェクトが何と、うちの小さな町の小さな教会。
以前からお城の塀の様だな、と思っていた歴史ある煉瓦作りの刑務所も彼の作品だった。
さらに!
今回のオペラでProduction Designを担当されたYuki Izumiharaさんは山口県下関市出身。
地元と繋がりがあると自然と愛着を感じてしまう。
時代も変わり、基本の音楽とストーリーを大切にしながらも、新しい風、今の時代だからこそ伝えたいことも表現されていたから、賛否両論ある中でいろんな事を乗り越えて作られるプレッシャーもあっただろう。
詳しくはこちらの動画から
あの日は、純粋に初めての体験を楽しんだ。
そして、これを書くにあたり改めて作られた人達の事を知ると
また心の中で拍手が止まらなくなった。
そして!
千里さんの日本ツアーの千秋楽は
なんと、
東京オペラシティ!!
こちらも、一度は行ってみたい!