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内田悠介氏の『sunrise』という花器が美しい【FREEPAKR】

太陽が地上に光をもたらす時刻
季節の移り変わりと共に
ゆっくりと時間をずらす

いつもより早くに目が覚め
カーテンを開けると
うっすら明るくなり始めた空

夜通し仕事をし
帰り道にとぼとぼ歩く道
だんだんと明るくなってくる空

夜遊びに明け暮れ
二日酔い覚悟の寝ぼけまなこ
扉を開けると優しい光に包まれる

様々な表情を持つ日の出。
内田悠介氏の作る
『sunrise』を見ていると
朝日を見たときの記憶が
脳裏に浮かんできます。

もちろん元日の初日の出も。

とは言え、
夏のはじまりに元旦とは
ちょっと季節外れですねw

今日は
内田氏の『sunrise』という花器を
紹介させて頂きます。

FREEPARKに届いた『sunrise』。
それはそれはなめらかな肌触りで
2色が織りなす朝焼けの景色が美しく
本当にうっとりしてしまう花器なのです。

両手に包み込むように持つと
いつまでも眺めていられる
そんな魅力を持った花器。

こんなに素敵なガラスの花瓶を作る
内田悠介氏にとても興味が湧き、
さっそくお話を伺いました。

内田悠介氏は1980年生まれ。
なんと、私と同い年なのです。
それだけで親近感を持ってしまうのは
年のせいでしょうかねw

内田氏がガラスに関わるようになったのは
倉敷芸術科学大学の2年生のときでした。

2005年に修士課程を修了したのち、
ガラス彫刻の制作アシスタントを
経験しております。

尊敬するガラス彫刻家の
作家活動を傍で見ているうちに
ますますガラスの魅力に
惹かれていきました。

そして、
素材としてのガラスに魅了された内田氏は
「もう一度ガラスについて学びたい」と思い、
能登島ガラス工房で1年間学び直しをしました。

2013年に能登島ガラス工房の講座を修了し、
2017年まで富山ガラス工房に所属していました。

その後、
2017年から独立し、
作家として現在に至るまで活躍されております。

経歴を伺っていると、
人生の半分以上を
ガラスのそばにいたことになります。
ガラスについて学ぶ時間、
ガラスという素材を
手仕事でカタチにしていく時間、
ただただそばにいる時間、
それらの長い時間を思うと
内田氏がどれだけガラスを好きなのか
しっかりと伝わってきました。

そこで、
今回FREEPARKに届いた『sunrise』が
内田氏のガラスの歴史のどのタイミングで
誕生したのかを伺いました。

すると、
驚きの答えが返ってきたのです。

「sunriseは9年くらい前に思いついたんです」

9年前というと、能登島ガラス工房で
ガラスの勉強をしていた頃です。

ではなぜ、
そのときに作らなかったのか。
それは自身の技術が
足りなかったからだそうです。

能登半島での暮らしは
内田氏にたくさんの自然を
感じさせてくれました。

ある日、
うっすら日が昇る時刻に
とぼとぼと道を歩いていました。

ふと見上げた空の色に
内田氏の心は動いたのです。

毎日違う空。
太陽の作り出すグラデーション。
この素晴らしい景色を作品にしたいと
内田氏は思いました。

それから何年も技術を磨き、
いくつもの試行錯誤の上、
とうとう『sunrise』が完成しました。

自身がしっくりとくる色合い、
宙吹きという吹きガラスの手法による
独特なカタチへのこだわり、
ガラスという自然の素材を感じられる完成形。

内田氏が感覚的に確立してきたこだわりを
全てクリアした作品。
それらだけが世に出ることができます。

内田氏は型を使用せず、
種と言われるガラスの塊を1250度ほどの窯にいれ、
溶けてきた状態のガラスを取り出し、
数秒のうちに成形します。

しかし、
すぐにガラスが冷えてきてしまうので、
スポーツのごとく数秒ごとに窯入れと成形を
繰り返します。

まるで修行僧のように
頭の中には工程のカウントのみで、
身体はスポーツ選手のように
機敏に動いています。

内田氏曰く、
「無心になり感覚が研ぎ澄まされていくほど
 いい作品が作れる」

その情景を思い浮かべると
崇高な職人がひとり
そこに存在します。

内田氏の作るガラスの『sunrise』には
不思議な力があります。

花器を眺めていると
「ひさしぶりに海に行こうかな」
「明日は早起きをして空を見ようかな」
そんなことを考えてしまいます。

まるで内田氏の感性が宿っているように。

内田氏は『sunrise』を買ってくださるお客様に
多くは求めておりませんでした。

その方の生活の一部として
当たり前のように飾って欲しいと、

その方に寄り添い、
その方のライフスタイルの中で
そっと佇んでいて欲しいと
考えておられます。

そして唯一、
「ガラスという素材が人の手によって
 素晴らしい質感になっていることを
 覚えていて欲しい」
と、言っていました。

内田氏自身が
これからもずっと
ガラスという素材のそばにいたい
という想いがあります。

そのことを知り、
『sunrise』を手に取ると
空がつながっていることを
感じます。

内田氏はゆっくりと話し、
何かを断言することはありませんでした。
しかし、話を聞けば聞くほど
ガラスへの愛を感じました。

「感覚で生きている」と
おっしゃていたのですが、
それは今までに感じた自然の美しさや
ガラスと向き合ってきた時間による
しっかりした軸がありました。

FREEPARKにある『sunrise』も
世に出られなかったいくつもの作品が
背景にあると思うと
より貴重な存在になります。

本当に素晴らしい花器なので、
是非ご覧下さいませ。





いつも最後までお読みいただき、
本当にありがとうございます。

こちらの記事は2022年7月8日に書いた
記事のリライトになります。
新しい作品が届き、
素敵な写真に差し替えておりますので、
新たな気持ちでお読みいただけていたら
幸いでございます。

もしよかったら、
スキ・コメント・フォローを
いただけると光栄でございます。

いつまでも幸せな日が続きますように。



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