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暮らしに寄り添うガラス作家『辻美友子』の魅力【FREEPARK】
ほかほかのパンケーキに
とろりと流れるクリーム
なめらかな丸みが
ゆっくりとした
時間をたのしませてくれる
ガラスなのに
その柔らかい風合いが
暮らしを豊かにしてくれるのが
ガラス作家、辻美友子さん
FREEPARKでは
春を迎えるこの季節に
辻さんのポップアップを
開催します
期間:3月1日(土)~16日(日)
※オンラインでの販売は準備が整い次第スタートします
温もりを感じる作品は
暮らしの中であって当たり前だけど
ないとちょっと違和感のある
愛おしいガラス作品ばかり
辻さんの魅力が詰まったインタビューを
ぜひお読みくださいませ
きっとお気に入りが見つかります
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まずは辻さんの経歴をご覧ください
辻 美友子
帝塚山学院大学美学美術史学科卒業
渡仏
パリ atelier KENZA モザイクタイル講座受講 勤務
帰国
大阪市クラフトパーク、
吹きガラス工房GGGで講座を受講
能登島ガラス工房長期講座修了
世界のガラス館 加賀店 ガラス工房勤務
現在 大阪で吹きガラスとバーナーワークで制作活動中
帝塚山学院大学美学美術史学科卒業ですが、
昔からモノづくりがお好きだったのでしょうか?
■ 辻さん:
ガラスは小さな頃から好きでした。
空き瓶を集めたり、
プラスチックのスケルトンも
好きだったので「透明」に
惹かれていたと思います
クレパスと水彩絵具を重ねて絵を描くことや、
パン作りで独自の形を作ったりすることも好きでした
10代の頃は特に何かものづくりはしてませんでしたが、
美術が好きでした
授業でスケッチブックに校庭の風景を描いたら、
描いてる木がスケッチブックのサイズに全然入らなくて、
リングの下のページにも続きを描いて
絵が大きくなり時間が足りなくなるような
不器用さ加減でした
画用紙の外まで絵を描くのって
すごく魅力的な才能だと思います
不器用になるほど描くことに
のめり込んでたのが伝わってきて
辻さんの少女時代が眩しいです
子供の頃から
ガラスや透明が好きだったのが
今のガラス作家の活動に
つながっていると思うと
好きって大事だなって思いました
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卒業後はデザイン関係の仕事に
就いたのでしょうか?
■ 辻さん:
卒業後は語学留学したフランスで
モザイクタイルの装飾に出会いました
パリのメトロ、
Cluny la Sorbonne(クリュニー ラ ソルボンヌ)駅の
壁面と天井に、いろんな作家のサインを
モザイクタイルで象ってあります
それが好きで、
自分でモザイクタイルをやってみたくなり、
教えてもらえるアトリエを探し、
そこでアルバイトをさせてもらえるようになりました
主に鏡の周りや額縁の装飾をしていました
家に遊びに来た友人が作品を見て買ってくれたり、
少しお店に置いて貰ったり、
語学学校の先生に話すと、
学校の片隅で販売の機会や
オーダーをしてくれたりしました
今振り返ると、
この頃に作品を作り販売するということを
最初にはじめたということに気がつきました
作家の原点がフランスにあるのが
すごく素敵に感じちゃいます
クリュニー ラ ソルボンヌ駅の
モザイクを初めて知ったのですが
可愛いですね!
なんとなくモザイクタイルと聞くと
壁全面に貼って柄や絵を表現するものだと
思っていたので、
サインを表現していることにびっくり
でもすごくオシャレに見えます
そして辻さんの行動力に感動です
やりたいと思い
実際に教わりバイトになり
販売につなげられたなんて
本当に凄すぎます
はじめて販売したときのことは
懐かしい思い出ですね
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フランスではモザイクをされていましたが、
帰国後も続けていたのでしょうか?
■ 辻さん:
帰国してからは、
グラフィックデザインの仕事の傍ら
ステンドグラスを始めました
これは最初自分の中では
モザイクタイルのタイルをガラスに、
目地を金属に置き換えたような感覚でしたが、
ステンドグラスでは光の透過性が特徴でもあり、
窓を作るのが好きになりました
依頼を頂き店舗や住宅の窓を
いくつか施工させてもらいました
さすがです
デザインとステンドグラスの二刀流ですね
センスがあり技術を習得するのが早く
辻さんは本当にモノづくりの人ですね
ガラス作家のはじまりも
ステンドグラスからだったのですか?
■ 辻さん:
平面の作品に行き詰まりを感じ始めた頃に、
たまたま吹きガラスの工房の前を通りました
外からガラス越しに見ただけで、
誰もいなくて製作もしていなかったのですが、
窓辺に作品が並び、工場のような設備に
とても惹かれました
なんだか少し運命のような感じですね
■ 辻さん:
まさに、その後そこの施設で
吹きガラスのクラスの募集のポスターを
駅で見かけて申し込みました
週に1度で続けていたのですが、
どうしてももっとやりたいという気持ちで
能登島ガラス工房に1年の長期講座に行き、
その後同じ石川県のガラス工房で
アシスタントをさせてもらいました
ガラスの世界に足を踏み入れたら
週1では足りなくなって
能登島まで学びにいかれたとは!!!
■ 辻さん:
しかし数年後にそこが閉鎖になってしまい、
大阪に戻りました
それからは時間で場所を借りて、
自分の作品を作っています
今のガラス作家の辻さんに
つながるということですね
■ 辻さん:
「ガラス作家になろう」という感じよりも、
大学を出て、フランス留学もした後、
若くもない年齢で、仕事や家を引き払い、
大阪を離れて能登島ガラス工房に行くことが
大きな決断でした
好きなことを追いかけて今も続いています
それってすごいことだと思います
やりたいことに向かい続けるのは
覚悟もエネルギーもいると思うので
そこに「好き」が大きくないと
原動力が足りなくなると思うんです
だから辻さんのガラスへの想いや
作品をつくることへの情熱が
とても感じます
作品はどちらかというと
優しいほんわかした感じですが、
心の中に強い芯があるように思います
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尊敬する作家さんとかは
いらっしゃるのでしょうか?
■ 辻さん:
ガラス作家ではないのですが、
ジャンルや時代のこだわりがなければ、
モビールで有名なAlexander calder、
アメリカの陶芸家 paula greif、
映画ではアキ・カウリスマキ監督、
あとはモロッコの手工芸品からも影響を受けています
興味深いですね
それぞれ個性がありますが、
派手すぎないけど
心の中でわくわく感じる
優しい雰囲気があります
ぜひお客様にも
知っていただきたいですね
そんな影響を受けて作られた
今回のポップアップの作品について
少し説明をお願いします
■ 辻さん:
ボウルとグラスは生活の中でも
手に取り活躍することの多いアイテムだと思います
棚に飾って眺めるよりも、
野菜や果物を盛ったり、
夏には小さなパフェや冷たい飲み物など
日々普通に使ってもらえたら嬉しいです
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辻さんの作品には
温かみをとても感じます
どんなこだわりを持って
作っているのでしょうか?
■ 辻さん:
自分のかたち、というものがあるように思います
言葉に置き換えにくいのですが、
作ってみたらこれは何か違う、
これはとてもしっくりきて好きだ、
とかわかります
その感覚を大事にしています。
縁を折り返すものは、
折り返しがあることで滑りにくく持ちやすくなり、
色によっては見た目にも折り返し部分の色が濃くなり、
全体で見た時に色の濃淡が出るのが好きです
日々使って欲しいので、
使いやすい形でありたいと思いますが、
作品によっては使い勝手と
見た目のデザインの良さとが両立しない場合もあります
その狭間で悩んだりしましたが、
使ってくださる方からのお話などから、
自分が考える用途や使いやすさ以上に、
幅広い用途や思いがけない使いやすさを
見出してくださることを知り、
あまりそこを考えすぎなくても良いのかなと
思うようになりました。
「自分のかたち」っていいです
辻さんの作品をみていると
なんとなく「辻さんぽいなぁ」と
共通点をみつけられます
淡い色合いというか
濃い色でも淡いイメージで、
ちゃんとした形なんだけど
なんとなく丸みに愛着を感じるというか
やっぱりこれが辻美友子の作る
ガラス作品なんだなぁって
ひとに寄り添い
暮らしに寄り添ってくれる
作品が本当に素敵です
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ガラス作家として活動される中で
大切にしているのはどんなことですか?
■ 辻さん:
吹きガラスで作品を作るということ、
実際にガラスを竿に巻き取り、
息を入れ、伸ばしたり押したりして形を
作っていく製作過程自体に惹かれています
何か嫌なことがあっても、
少し体調が悪くても、
製作に集中し、
うまくいけば良い気分になります
ガラスで作品を作ること自体が
私にとって大切なことです
一つのかたちから別のかたちのアイデアが出てきて、
それを試す時のときめきのような感じ、
それも他の何にも変え難い楽しみです
すこしとぼけたような雰囲気になりがちですが、
意図していないのでそれが持ち味かと思います
なるほど
ガラスで作品を作ることが
本当に「好き」なんですね
その想いがちゃんと作品に
現れていると思います
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作品を作っていて
大変なことはどんなことですか?
■ 辻さん:
最近の夏の暑さです
あとは材料に不純物や泡など、
作品が出来上がってから取り除くのが
難しいものが入ってたりすることが悩ましい点です
暑さは私たちが想像している以上ですよね
本当にお疲れ様と言いたいです
逆にガラス作家になって
よかったと思うのはどんなところですか?
■ 辻さん:
昔「ハイ・フィデリティ」という映画を見た時に
「自分の得意だと思うことを
仕事にできたことが誇らしい気持ちになれる」
というような内容のセリフが印象的だったのを思い出しました
夢中になれることを続けることは
自分の支えになります
とても良かったと思います
まさに辻さんとって
ガラス作家は天職ですね!
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これからの夢や目標など
をお聞かせくださいませ
■ 辻さん:
ガラスで作品を作ることでいろんなことを感じます
不器用で失敗も多いのですが、
そこから次のトライが始まるということ、
失敗と思ったけど逆に良いかたちを見せてくれる面白さや、
出来なかったことを繰り返しやることで
出来るようになるような単純な喜びもあります
当たり前のことかもしれませんが、
そんな中で自分が良いなと思える、
しっくりくるかたちを見つけて作っていけたらと思います
最後にFREEPARKのお客様へメッセージをお願いします
■ 辻さん:
今回ははじめて出す作品もいくつかあり、
特にドキドキとワクワクが入り混じるような心持ちです
気軽に見て頂き、気になるものがあればとても嬉しいです
長い時間ありがとうございました
インタビューは以上になります
いかがでしたでしょうか?
ぜひ店頭にて実物をご覧くださいませ
スタッフ一同お待ちしております
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いつも最後までお読みいただき、
本当にありがとうございます
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