愛石家・木葉絢子さんの『エキセントリック水石』【FREEPARK】
少しずつ葉の色がかわり
ピアノの音が透き通ってきた
風と共に流れる音楽
ゆっくりと歩幅をせまく
ひとつずつ絵を楽しむ
季節が変わるときは
とても短くかけがえのない時間
のんびりと味わうように
五感を豊かにしたい
例年と比べ遅い秋に
FREEPARKでは
愛石家の木葉絢子による
『エキセントリック水石展』を
ポップアップにて開催いたします
期間:2024年11月2日(土)~17日(日)
木葉さんのつくる
エキセントリック水石は
ちょっとヘンテコで不思議
特別な存在感があり
空間に奥行きができます
インタビューをいたしましたので
ぜひゆっくりとお読みくださいませ
きっと実物を見たくなると思います
まずは水石(すいせき)について
うかがってもよろしいでしょうか?
■ 木葉さん:
水石は、室内で石を鑑賞する日本の文化です
石の中から大宇宙を感じとるため、
趣味の中でもっとも奥を極めたものと言われています
侘び寂びを重んじる、渋くてニッチな趣味のため、
水石趣味人口は減る一方で、高齢化が進んでいます
水石界では私は最若手かもしれません
1983年生まれの木葉さんが若手と聞くと
高齢化が実感できますね
海岸や川に遊びにいくと
つい石を手に取ってしまうので
なんとなく石の持つ魅力はわかるのですが
趣味として石を愛でるとなると
もっとずっとずっと奥が深そうです
2018年に作家活動をはじめましたが、
それまではどのようなことを
されていたのでしょうか?
■ 木葉さん:
専門学校で芸術を勉強した経験はなく、
スポーツに明け暮れた学生時代を過ごし、
その後平凡なサラリーマン生活を送っていました
というか、今もサラリーマンをしながら
作家活動をしています
入社した瞬間からサラリーマンが
性に合わないと感じていて、
会社でもバッチリ浮いていたので、
何か別の事がしたいとは思って過ごしていました
入社した瞬間からw
そうだったんですね
ということは学生のときに
何かモノづくりをしたいというような
出来事があったのですか?
■ 木葉さん:
大学時代にMoMA(ニューヨーク近代美術館)に
行って色んな衝撃を受けた事がきっかけで、
芸術に目覚めました
特に日本と海外のアートに対する距離感に
カルチャーショックを受けました
そこから、もっとアートは
身近にあってもいいのかもと思い、
日本全国の美術館を80箇所程一気に巡りました
それからギャラリー巡りが趣味になりましたが、
まさか自分が作り手になるとは思っていませんでした
正直、今も観る方が好きです
すごい行動力ですね!
ニューヨークで心が動いて
日本中の美術館を回るなんて
作家の原点と言ってもいいのでは
ないでしょうか♡
作家になると思ってなかったのに
作家になられたというのは
なにかきっかけがあったのでしょうか?
エキセントリック水石のはじまりの
お話をお聞かせください
■ 木葉さん:
京都東寺の骨董市に行った時に
超ミニ水石が売られていて、
そこで水石という文化を知りました
その後水石展に足を運んだのですが、
なんだか渋すぎ且つ単調に思えました
それをよく行くギャラリーオーナーに話した所、
「そんなに石が好きなら理想の水石を
オリジナルで作ってうちで展示してみたら?」
と言われました
制作活動なんてした事もない私に
そんな事を言って下さる懐の深さと、
思ってもない嬉しいお誘いで、
ひとつ返事でやります!と答えました。
その後超独学で自分なりの水石の制作を始め、
今に至ります
木葉さんの水石に対する疑問が
ギャラリーのオーナーさんの後押しで
作家の誕生となったんですね
なるべくしてなった
そんな感じのスタートだったんですね
エキセントリック水石には
どのような想いやコンセプトが
あるのでしょうか?
■ 木葉さん:
伝統文化である水石の世界はルールが多く、
厳格なイメージですが、目指すところは
石に台座を付けることで
"いかに石をいい感じに魅せるか"
だと解釈しています
そのコンセプトを拝借し、
水石のオマージュとして制作しているのが
"エキセントリック水石"です
石を使用している事以外
水石のルールからはかなり逸脱しますが、
私の中では大枠は同じで、
石を良く魅せるために
様々な台座を付けています
1200年以上続く文化にも関わらず、
著しく知名度が低い水石の世界
敷居を少し下げることで、
若い世代の方にも知っていただけたら
という思いもあります
また、このままでは近い将来
途絶えてしまいかねないので、
もう少し柔軟になって
存続して欲しいという願いを込めて、
水石界に一石を投じてもいます
なるほど
「エキセントリック水石」を
「エキセントリックな水石」
と読むとすごくしっくりきます
日本の長い歴史のある文化が
なくならないために
若い方にも受け入れやすい作品として
エキセントリック水石は
インテリアのオブジェになりますね
作品の中で「石」は
とても重要な役割だと思うのですが、
どのように入手しているのですか?
■ 木葉さん:
全国各地の海で拾い集めた石ころは
そのままの姿が1番素晴らしいと思っているので
宝物としてコレクションにとどめ、
最近は作品に使用するのは鉱物と決めています
鉱物はミネラルショーなどで購入しています
古物については蚤の市で購入することが多いです
集めたアイテムは
どのような流れで作品になっていくのでしょうか?
■ 木葉さん:
好きなものを目の前にずらりと並べ、
無心でそれぞれを組み合わせています
タイトルや意味は全く無く、
なんとなく好きな雰囲気になるように
できるだけヘンテコな組み合わせを
目指しています
とても楽しい時間ですね
これとこれ?
あ、やっぱりこっち?
みたいな時間がいいですね
今回納品いただいた作品について
少しだけご紹介いただけるとうれしいです
■ 木葉さん:
こちらの作品については、
私の中では水石のルールに
かなり忠実に制作した作品です
石の形にぴったりはまる木の台座を付けました
この白い石はメニライトという石で、
自然の形のまま使用しています
石へのリスペクトをこめて、
石には一切加工しないというのがマイルールです
■ 木葉さん:
こちらについては、もはや石がない作品です
が、漂流したボールの朽ちたテクスチャが
石の表情に通ずると思い、
石化した(してないけど)ボールとして取り入れました
これも水石だと言い張る、
勇敢な精神で活動しています
説明を聞くと
より面白さが伝わってきます
本当にどれもこれも個性的で
唯一無二な作品ばかりです
今後の目標や夢などは
あるのでしょうか?
■ 木葉さん:
いつか海外でも展示をしてみたいです
日本の伝統文化である水石を、
私の活動がきっかけで海外の方にも知ってもらえたら、
そんな嬉しい事はないなと思います
できると思います
作家活動をはじめて6年間で
26回もの個展ををされているのが
何よりモノ証拠
きっと海外での個展は近いうちに
実現されると思います♡
最後にFREEPARKのお客様に
メッセージをお願いします
■ 木葉さん:
よくわからないオブジェかもしれませんが、
なんとなく気になってもらえたら嬉しいです
木葉さんのお話をうかがい
エキセントリック水石の魅力が
より伝わってきました
エキセントリック水石の作品は
オンラインストアでの販売できませんため
どうか店頭にお越しいただけると嬉しいです
実物をご覧いただけたら
きっと好きになってもらえると思います
ご来店を心よりお待ちしております
いつも最後までお読みいただき、
本当にありがとうございます
もしよかったら、
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いただけると光栄でございます
オンラインストアにも
お立ち寄りいただけると幸いです
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