『tokiwa anna』の描くガラスアート【FREEPARK】
雨粒に耳をかたむけ
紫陽花の色をおいかける
梅雨のはじまるこの時期に
FREEPARKでは
『tokiwa anna展』を開催します
期間:6月8日(土)~16日(日)
まるで物語の世界と
つながったような気持ちになる
不思議な魅力の作品が並びます
ひとつひとつのオブジェに
ストーリーがあるような
ずっと見ていたくなる作品ばかり
どのようにして生まれているのか
ガラス作家の常盤杏奈さんに
お話を伺いました
特別なひとつを見つける前に
ゆっくりとお読みいただけると
うれしいです
常盤さんの作品には
命があるような
生命力のようなものを
感じるのですが、
どのようなコンセプトで
制作されているのでしょうか?
■ tokiwa anna:
「ガラスに描く」をコンセプトに
制作をしています。
私にしか作れない立体的な絵画表現を
追求しています。
なるほど!
立体的に絵画を表現するという
アプローチをされているから
絵本から飛び出てきたように
見えたのかもしれません
個性的なデザインやカタチは
どのように生まれているのでしょうか?
■ tokiwa anna:
植物や、いきものたちの姿から
インスピレーションを受けて
イメージをふくらませ、
ドローイングを重ねてから
制作に臨みます。
制作の時は何を何個作ろうとか
プランをあえてもたず
「力の入っていない自然体なカタチ」
を作ることを意識しています。
ドローイングを重ねてから
制作されているところが
コンセプトの「ガラスに描く」に
つながっているようですね
モチーフに植物やいきものたちが
多いのには理由がありますか?
■ tokiwa anna:
小さい頃から自然の中で
遊ぶことが好きでした。
植物や、いきものたちは日々、
たくさんのパワーを与えてくれます。
私の好きな素材であるガラスで、
自然の美しさから感じる世界を
表現したいと思っています。
子どもの頃から好きなものが
大人になってもつながっているのは
とても自然体で素敵です
ガラスとの出会いや
ガラス作家になろうと思われてた
きっかけなどはありましたか?
■ tokiwa anna:
幼少期の頃から
ツルツルしたものが好きでした。
特にプクッとしたテクスチャーの
シールが大好きで熱心に集めていました。
その頃からツルッとした
透明の中の世界に興味が
あったんだと思います。
常盤さんの「好き」なものが
ガラスという素材につながって
いったんですね
■ tokiwa anna:
そして、絵を描くことも大好きでした。
最初は
「絵の道に進みたいな」
と思っていましたが、
高校生の頃、フンデルト・ヴァッサーと
サム・フランシスという画家の絵に
とても影響を受けました。
彼らの絵からは
「色の滲みの美しさや、透けている感じの心地良さ」
を感じました。
「私が感じているこの心地よさと
ガラスという素材から感じる心地よさは
何か似ているものがあるな」
と思ったことをきっかけに
ガラスという素材を意識し始めました。
素材として好きな「ガラス」と
絵画からの影響があったからこそ
「ガラスに描く」というスタイルが
誕生したのですね!
ガラス作家として独立したのは
3年ほど前だと伺ったのですが、
それまでのお話をお聞かせくださいませ
■ tokiwa anna:
ガラス歴は今年で15年目になります。
2013年に倉敷芸術科学大学
美術工芸学科ガラスコースを
卒業したのですが、
大学の4年間ではガラスの基礎を
学んだと思っています。
卒業した後は、
さらに自分自身の表現を絞って
深く追求していく時間が欲しいと考え、
富山県にある富山ガラス造形研究所
というガラスの専門学校に入学しました。
海外との交流も多く、
ガラス造形に集中できる
授業カリキュラムはとても刺激的で
この2年間でガラス造形に対する
視野が広がったように思います。
研究所を卒業した後は
富山ガラス工房のプロダクト部門で
3年間務めました。
工房の仕事では、
ただ商品を作るだけでなく
クライアントとの打ち合わせから、
定例の仕事、オリジナル商品の開発、
企画・展示、ガラス体験や講座の指導など、
独立に向けて、より実践的な経験を積む
貴重な時間でした。
工房を退職した後は、
母校である富山ガラス造形研究所の
教務助手として3年間務めました。
以前から、
ガラス教育の現場で経験を積んでみたい
という思いがありました。
ガラスを触ったことがない人たちに
ガラスの技術を教えることは
私にとってとても貴重な経験になると考えたからです。
人に教えることで自らの学びがたくさんありました。
最先端のガラス教育の現場で
素晴らしい先生達、同僚たちと共に働く時間は
とても充実したものとなりました。
そして、研究所を退職した年の2022年に
石川県で作家として独立しました。
これからガラス作家になりたいという
10代の方々にもとても参考になる
経歴をお話くださりありがとうございます
ガラスと向かい合う姿勢や
すごくガラスが好きなところが
伝わってきました
素晴らしい技術と唯一無二な作品は
どのように作られているのでしょうか?
■ tokiwa anna:
オブジェは、
ドロドロに溶けたガラスから
カタチを作ります。
そして、
ガラスが冷めて固まったものに
エナメル絵付けと言う技法で
絵付けをしています。
1回の焼成に2〜3日ほどかかります。
1つの作品ができるまでに
約7回ほど焼成を行います。
驚きです!
そんなに時間のかかるとは
想像していなかったので
ビックリしてしまいました。
他にも大変なことはありますか?
逆に楽しいこともあったら
教えてください
■ tokiwa anna:
作っていて大変なことは、
真夏のドロドロに溶けたガラスを
あつかう作業です。
暑い日は作業場の気温が
40度くらいになることもよくあります。
その中での作業は体力的に大変だと感じます。
楽しいことは、
作る中で思いがけないカタチや色に
出会うことです。
ガラスをあつかう時に
「コントロールしすぎないこと」や
「アクシデントを受け入れること」を
大切にしています。
そうすると、
思いがけず良いカタチや色に
出会うことがあります。
その瞬間がとてもワクワクします。
40度の環境での制作は
体験してみないと分からないくらい
本当に大変なのですね
だからこそその中で出会えた
カタチや色はかけがえのない
大切なモノになるんだと思います
作品からは常盤さんの感じている
ワクワクが伝わってきているから
見ていて楽しい気分になるんだと
思いました
重厚さを感じるオブジェに比べ
ガラスリングはとても繊細で
美しいアクセサリーだと思いました
どのようなきっかけで
作ろうと思ったのでしょうか?
■ tokiwa anna:
私自身アクセサリーが好きで、
よく集めていました。
キラキラしたものを身につけるだけで
幸せになれるというか…。
でも、
お店で売られているアクセサリーで中々
気に入るものを見つけることが難しかったことや、
その日の気分によってアクセサリーを変えたくて、
「いろんな指輪が欲しいと思い…だったら自分で作るか!」
というのがきっかけでglass ringの制作を始めました。
glass ringは耐熱ガラスを使っていて、
軽くて丈夫です。
先ほどお話したオブジェとは作り方が異なり
高温の炎を出す酸素バーナーを使い、
ガラスの棒を溶かしながらカタチを作っています。
キラキラとした身につけるガラスを是非一度、
手にとってみて欲しいなと思います。
はい!
スタッフもみんな真っ先に
試着させていただいたので、
お客様にもおすすめしたいと思います
今年はご出産され、
環境が大きく変化したと思うのですが
これからのビジョンがあれば
お聞かせくださいませ
■ tokiwa anna:
子供が産まれてからは、
制作時間もかなり限られるようになりました。
なので今まで以上に
とても貴重な時間と感じています。
制作できる喜びみたいなものを
今までで一番感じているかもしれません。
その点では、制限がある中での制作も
悪くないなと思えます。
日々成長している我が子を見ると、
今まで感じたことのない感情にたくさん出会えます。
この感情が、作品を変えていくのかなと
漠然と感じています。
今は、
ゆっくりのんびりペースでの制作ですが
楽しんで作ることを続けていきたいな
と思っています。
母親としての優しさと
お子様を愛でるまなざし、
同じようにガラスを想う気持ちが
伝わってきます
常盤さんにとってのガラスとは
どんな存在なのでしょうか?
ガラス作家としての夢があったら
お教えくださいませ
■ tokiwa anna:
私にとってガラスは
私を一番ワクワクさせる素材です。
ガラスというキャンバスに絵を描き、
私にしか作れない立体的な絵画として
一つの表現を確立させたいです。
これからの活躍が
ますます楽しみになります!
最後にFREEPARKにいらっしゃるお客様へ
メッセージをお願いします。
■ tokiwa anna:
初めましてガラス作家の常盤杏奈と申します。
自由に、そして感じるままに。
作品を見てくださる皆さまに、
少しでも楽しんでいただけると嬉しいです。
常盤さんのガラスへの想いや
作品に込められたコンセプトを
たくさんのお客様に感じていただけたら
とても嬉しいです
ポップアップの期間に
是非ご来店いただけるのを
楽しみにお待ちしております
いつも最後までお読みいただき、
本当にありがとうございます
もしよかったら、
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お立ち寄りいただけると幸いです