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金魚のいる暮らし -お星さまになった日-

前回のお話のつづきになります。

↓↓↓↓↓↓


ドキドキしながら目覚め、
水槽を覗き込みました。



胸がギュッ。



水面に浮かぶ
リップちゃんと百ちゃん

じっと見ていても動きません。

仲良く寄り添うように
2匹はお星様になってしまいました。

突然のことに
娘は頭がついて行きませんでした。

「リップちゃん〜」
 百ちゃん〜
 動いて〜」

小さな声で
話しかけていました。

「死んじゃったね」
そう娘に声をかけ、
抱きしめました。

「がんばったよね
 苦しかったのに
 本当にがんばったね」

そう言いながら
2人で泣きました。

一緒に涙を流すことで
リップちゃんと百ちゃんの死を
受け止めました。

落ち着いてから
さよならの儀式をして、
最後に「ありがとう」と伝えて
お別れをしました。


それから、
ひとり残されたクリアちゃんのために
水槽の全換水を娘としました。

「私がやる!」
と、娘は重い水槽を洗いました。

砂利を洗い、
ドライヤーで乾燥させました。

何とかクリアちゃんに元気になってもらいたく、
きれいな水の水槽を準備しました。

薬浴+塩浴のために砂利は入れませんでした。
濾過装置の代わりにエアレーションを入れ、
水温を合わせるためにヒーターを入れました。

準備が完了し、
クリアちゃんを水槽に戻しました。

弱々しく泳ぐクリアちゃん。
目が白濁しており、
ウロコは浮いたまま。
全身に白いモヤがあるままでした。

それでも病気が治ってくれますようにと願い、
見守ることを続けました。



ぷりちゃんとぷくちゃんも
薬浴+塩浴を続けるために10Lのバケツへ
移動しました。

バケツで療養する方が
換水や薬の投与がしやすいので、
薬浴する際は水槽から移すといいと
ネットに書いてあったのを参考にしました。

バケツに移すにあたり、先程と同様に
大きな水槽とたくさんの砂利を洗いました。
娘は文句ひとつ言わず
元気になったときに戻ってくる水槽を
しっかり洗いました。

リップちゃんと百ちゃんのようにならないために
今出来ることを頑張っているようでした。

バケツに移ったぷりちゃんとぷくちゃんは
何となく回復しているように見えました。

ぷりちゃんは白い点が薄くなっていたし、
2匹とも食欲がありました。

尾びれの充血や全身の赤み、
尾びれの先がギザギザになっているのは
心配でしたが、少しでも治って来ているのが
娘には嬉しかったのかもしれません。


治療の準備も整い、
少しゆっくりする時間が出来ました。

娘はモールを使ってアクセサリーを作ったり、
私は溜まった家事をして夕方まで過ごしました。

ふとクリアちゃんを見ると
なんだか弱々しく息をしていました。

しばらくじっと見ていると、
だんだんパクパクするのが遅くなり、
最後には止まってしまいました。

「え?!うそ
 動かなくなっちゃったよ」

まさか目の前で
お星様になってしまうなんて。

でもそれはクリアちゃんからの
最後の贈り物だったように思います。

娘はリップちゃんと百ちゃんに続き、
同じ日にクリアちゃんがお星様になったことが
相当悲しかったようで、大泣きしました。

えーん
えーん
ヒック
えーん
えーん

その泣き方から
娘の悲しみが伝わってきました。

リップちゃんと百ちゃんのお別れに続き、
クリアちゃんまで。
こんなに辛いことを1日で経験させてしまった、
そんな後悔がありました。

大人として、
きちんと金魚を育てられなかったこと
治療を出来なかったことを
申し訳ないとすごく悔しくなりました。

しかし、
娘の涙は私にやる気をくれました。

さんざん大泣きをしたあと、
娘は自分でクリアちゃんをすくい上げ
「がんばったね」
と言って最後のお別れが出来ました。


金魚を迎えて数週間、
こんなにも容易く命が消えてしまうとは
想像しておりませんでした。

お星様になってしまったことで
悲しみや生き物の尊さを肌身を持って
感じることが出来ました。

とは言え、
それがいいことだとは思えません。
もっともっと飼う前に知っていたら、
どうやって迎えるのが最善だったか、
悔やんでも悔やみきれません。

この悔しさを胸に
ぷりちゃんとぷくちゃんの治療に
全力を注ごうと決心しました。


つづきはこちらです▼


前回までのお話はこちらです▼





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