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24時間あればクロノ・トリガーがクリアできるじゃん

「クロノ・トリガーが面白い」なんて言葉、もはや100万回は擦られているだろう。もちろん、私もその通りだと思っている。今さらこの作品の魅力を語ることなんて、地球には酸素があって人間が生きるには理想的な環境なんだと改めて言うようなもので、みんな既にわかっている話だ。

もし「ゲームが好き」と自称しながら、未だにクロノ・トリガーをプレイしていない人がいたら、「話にならねぇ!」と一言で切り捨てたくなる。蕎麦屋に弟子入り志願した人間が蕎麦アレルギーだった、なんて話と同じで、「どうにもならん!さっさと帰れ!」とでも言いたくなるのだ。

…とはいえ、今回はそんな「排他的懐古おじさんごっこ」をやりたいわけではない。私がクロノ・トリガーを初めてクリアした時のプレイ時間が「24時間」だったという話をしたいだけだ。

今どきのRPGが24時間でクリアできたら、「短めのストーリーだな」なんて思うかもしれないが、クロノ・トリガーは決して短いとは感じなかったし、今でも「短いRPG」として記憶しているわけでもない。それどころか、もしこの作品のボリュームがもっと長かったら、今のように不朽の名作と呼ばれることはなかったかもしれない。

クロノ・トリガーの魅力は「面白さのお墨付き」であるだけでなく、「オススメのしやすさ」にもあると思う。キャラクターデザインが鳥山明で、スクウェアとエニックスという当時ライバル関係にあった二社が手を組んだドリームプロジェクト作品。話題性も充分で、加えて24時間という絶妙なボリューム感。あの頃、友人とゲームの貸し借りや口コミが当たり前だった時代には、まさにこの作品はもってこいだった。

そんな思い出のクロノ・トリガーを私が多感な時期にプレイしてしまったために、未だに「24時間」という数字を見ると「1クロノ・トリガー分」と考えてしまう。例えば、1ヶ月の勤務時間が160時間と聞けば、「クロノ・トリガー6周分」か、とか。24時間テレビのCMを見ても「この24時間を見るくらいならクロノ・トリガーをやっていた方がずっといいな」と感じてしまう。

とはいえ、ただ24時間あったからといって、クロノ・トリガーと同じくらい濃厚な体験をするのは簡単なことではない。なので、最近では「ペルソナ5」のクリア時間である約90時間を基準にして考えるようにしている。90時間あれば作品の良いところも悪いところも見えてくるので、「真理の数字」かもしれない。

ちなみに、このnoteを書くのには1本あたりだいたい1時間程度かけている。今までに書いた記事を合計するとおよそ100時間くらいになるだろうか。クロノ・トリガー4周分ほど楽しめているかは疑問だが、ペルソナ5をプレイしている時と同じくらいには楽しんでいる気がする。

そういえば、ドラゴンボールは全42巻、スラムダンクは全31巻と、それぞれ絶妙な巻数で完結している。引き際が肝心というのは、何ごとにも通じる真理なのだろう。

最後に、私がクロノ・トリガーで最も好きなシーンを挙げるなら、ロボを砂漠の緑化のために中世に置いていき、400年後に再会する場面だ。ゲーム上ではタイムマシン「シルバード」を使って30秒足らずで未来に行けるが、ロボは400年もの間、ひとりで働き続け、見事に砂漠を緑豊かな地へと変え、その地では御神体として祀られていた。ゲームの都合とはいえ、ボロボロになったロボを見たときには、子供心ながらに胸が痛んだものだ。


そういうわけでクロノ・トリガーはオススメだ。
ロボと鳥山明氏に愛を込めて。

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