仮面ライダーWの映画を見るときの席順、どっちが“左”に座るか問題
古い友人と映画を見に行った。映画は『風都探偵 仮面ライダースカルの肖像』だ。
ここから先の文章にはちょっとしたネタバレもあるので、これから見に行く予定の人は注意してほしい。
この友人との付き合いは、小学校に入った日から始まっている。
私の知り合いの中でも一番長い友人であり、約30年は遊んでいることになる。
とはいっても趣味が完全に合うわけではないので、年がら年中遊んでいたわけでもない。
お互い旬の趣味がある時はそちらに夢中だったりして、半年会っていないこともあった。
その絶妙な距離感があるからこそ、久しぶりに会った時に微妙な新鮮味を楽しめているのかもしれない。
最近は『ストリートファイター6』という共通のゲームで遊んでいるので、2~3カ月の頻度で会って遊んでいる。
この歳になると、大体の友人達は家庭を持っているので、「暇なら次の土日のどっちかで映画見に行く?」なんて聞く気にすらなれない。
だから、彼のようにフットワークが軽い人間は貴重だ。
もしかしたら私の知らぬところで、忙しさの間を縫って時間を作ってくれているのかもしれないが、それを追及するのも無粋な気がするので、やれるところまでやってもらうつもりだ。
待ち合わせの映画館に向かう途中で、ふと疑問が一つ浮かぶ。
「仮面ライダーWの映画を見るときの席順、どっちが“左”に座るか問題」だ。
仮面ライダーWは二人で一人の仮面ライダーを銘打っているが、見た目の通り左右で担当者が違う。
(変身時は、肉体のベースとなる一方の身体にパートナーの意識が憑依しており、2人で意思疎通を行って戦う。)
左側の席に座れば、そっちが肉体側の「左 翔太郎」であり、右側の席に座れば、そちらは意識憑依している「フィリップ」ということになる。
私的には、やっぱりWといえば「左 翔太郎役の桐山漣くん」の印象が強い。
桐山くんは、自分がもし女子だったらホレちゃうほどのイケメンだと思う。
そういうわけで、自由に選べるなら左側の席を取るだろう。
だが、今回映画に誘ったのは私なので、そういった雰囲気は出さず、限りなく自然な形で「左と右の席、どっちに座る?」と友人に聞いてみた。
案の定、「別にどっちでもいいよ」という大人すぎる返事が帰ってきた。
(心の中でガッツポーズを取り)じゃあ私はお言葉に甘えて左側に座りますけど!という感じで左側の席のチケットを受け取り、映画を見た。
私が左 翔太郎で、彼がフィリップだ。
これで二人で一人の仮面ライダーとなる。
席に着くと、いよいよ本編が始まる。
まさかの「ファングジョーカー」大活躍の展開が続く。
ファングジョーカーとは、仮面ライダーWの中でもかなり特殊なフォームで、右側のフィリップが肉体担当であり、左側の左 翔太郎が意識憑依する本来とは逆転した関係の形態となっている。
つまり、右側に座った人が正解!という映画だった。
くやしい!(考えすぎかもしれないが。)
映画の帰りに、私の誕生日プレゼントとしてタンブラーをもらった。
正直に言うと、家に帰ってから彼女に「それ、ブルーボトルコーヒーのタンブラーだから良いやつだよ」って言われるまで価値が全然わかっていなかった。
大人すぎるじゃん。
先に大人になるのやめな~?
私が「帽子が似合う男」になるにはもう少し時間がかかりそうだ。
完