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さらっとお届け

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さらっと安心して読める詩をまとめておきます。
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記事一覧

詩|寝ぼけまにまに

太古の海 地球最古の生命は 眠っていた 豊穣な海で育ち 夢を見たまま 墜ちる石にやられていた…

5

詩|吹いてください

もしも 季節を自在に選べたなら 私は一番好きなこの季節を 迎えることはできなかったでしょう …

7

喫茶店に落ちていた詩

今じゃない。 そんなものが 街に溢れている 今じゃない。 そんなものが 図書館に、溢れている…

17

凛として、生きていた

海は 空よりも重く 陸よりは、少し軽く。 私の海、も 空を見上げては、鳥を想い 陸を眺めては…

24

詩|白灰青

霧雨の舞う視界に陽の光が射し 雨粒がきらきらと輝いている あれから二ヶ月経って 睫毛につい…

佐々木 夜無
2週間前
14

詩│色んな雨

雨の狭間に羽虫が舞う アンドロメダはすり抜ける 歌舞伎町を渡り歩く 私たちは傘を発明する…

佐々木 夜無
2週間前
14

ぼくとふたつの星

あなたがすきな こもりうたを ふたりのへやに ながしながら まいばんまいばん ことばもかわさず こまどをあけて きらきらひかる おなじよぞらを みあげていた やわらかいおなかに つつまれて すくなくともぼくは そのはじめてに こころのそこから やすらいでいた たぶんいまさら おそいけど あなたがどんな かおをしていたか ゆめかのように わすれてしまった いっしょにみあげた よぞらのどこかに ほんとのあなたが くらやみでひとり ないていたのかな あれからいろいろ かんがえて

散文詩│カケスの朝

森に朝が来た 酸素を求めて巣を飛び出した 藁のこすれる音、木の葉のよう カラッカラッ、どん…

佐々木 夜無
3週間前
7

秋の初めの歌

秋の空気を吸う度に 夏の暑さにやられていた 胸から上の細胞が 一斉に活気を取り戻し やんやや…

佐々木 夜無
3週間前
10

詩|一行の窓

町はずれの 本屋の 一角にあった 辞書の たった一行の言葉に 君は 閉じ込められた 私が 何を…

佐々木 夜無
4週間前
8

忍びの者

きっとうまくいく 何も得ていないけど 何も得ていないから きっとうまくいく 長い人生 たった…

佐々木 夜無
1か月前
7

貴方がどんなに善意で撫でたとて お腹を撫でられたら そりゃ怒りますわよ それ以上でも以下で…

佐々木 夜無
1か月前
9

詩│忘れていた

ぼくは小さい頃 食べものとおもちゃの違いがわからなかった それらは見るからに同じで 心踊る…

佐々木 夜無
1か月前
5

詩|138億光年のプラネタリウム

小さい頃は 黒い宇宙の果てしなさに呑み込まれて 気が遠のき眩んでいたものだ ところが大人になって地図で確認すると どこまでも続くと思っていた体育館裏の森は あまりにも小さい ならば宇宙旅行に行ったとて どこまでも星や銀河が続くばかりで 138億光年はひどく狭いのだろう そんな時 突如 夜空を引き裂いた女があった 東の地平線から西の地平線にかけて 光でゆうに100億年もかかる距離を 洗濯の合間のほんの二、三十分で いとも簡単に引き裂くのであった めくれた遮光カーテン 宇