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イマドキの学校教育

今週は久しぶりに小学校の授業参観がありました。
午前中の4時間を見学したのですが、いやぁ、、、教育って変わるものなのですね。
以前に
https://note.com/sasaki0369/n/n77fbaf1f258a
でもGIGAスクールの破壊力について記載したことはありましたが、改めて昨日の授業で感じたことを書いてみます。

1時間目、息子のいる5年3組の授業は国語でした。
内容は、「5年生主催の交流イベントを紹介する案内文を考える」というもの。
ですが、ただ文言を考えるのではなく、「相手が誰か」を考えた上で文言を考えなさい、という問いです。

相手とは、例えば同じ学校の上級生や下級生、保護者、地域の人などです。
ビジネス的に言えば「ペルソナ」を設定した上で相手に響くコピーを考えなさい、ということなのだと思います。
そんなことを小学校5年生から学ぶのだなと思いました。

まず自分でノートに書き、次にグループになってお互いにノートを廻して見せ合い、感想を言い合うという授業で、とてもインタラクティブな内容です。
息子は発言したり意見を言ったりということが苦手なのですが、日々、こういう授業があるからなのでしょうか、以前に比べるとあまり苦にしていないように見受けられました。
息子よ、成長したな!

他の子のノートを見た上で、感想を問われた子供たちからは、
「目上の人に向けて書くときは丁寧な言葉を使う」
「低学年向けには習っていない漢字は使わない」
「相手が来たいと思えるように書くことばを工夫する」
などの意見が出ていて、とても立派だなと感じ、20年後、この子供たちが背負う日本の未来が楽しみになりました。

ちなみにこの感想はそれぞれがPCに記入すると、付箋紙のような形で他の子の意見も画面上に表示され、リアルタイムで全員の意見を見ることができます。
やっぱりすごいぜ!GIGAスクール!!

話は逸れますが、「目上の人に向けて書くときは丁寧な言葉を使う」については英語など多くの外国語にはそういった概念がないのでしょうから、ザ・ジャパニーズなのでしょうね。
合理性を考えたら丁寧語などは必要ないものなのでしょうが、昭和世代としてはこの文化はなくなって欲しくないなと思ってしまいます。

2時間目は算数です。
算数は子どもによって進度に差が出やすいことから、「ゆっくりコース」「しっかりコース」「ぐんぐんコース」の3クラスに分かれて授業が行われています。
どのクラスも「図形」を教わっているのですが、「ゆっくりコース」では三角柱の基本的な構造を学ぶことを、「しっかりコース」では厚紙を使って自分で三角柱を設計し作成してみることを、そして「ぐんぐんコース」では様々な図形を駆使して「チームで立体的な街を作る」という高度なことをやっていました。

基礎から発展、そして応用を生徒の理解度に応じて学ばせており、とても良い仕組みだなと感じました。
ちなみに息子は「しっかりコース」。
算数は公文をやっていることもあり得意な方なのですが(公文では既に中学3年まで行っています)、どうも「ぐんぐんコース」の先生のことが苦手なようで、、、
でも、理由を問わず本人の自主性でコースを選ばせてくれることもとても良いなと思いました。

誰かに決められたコースよりも、自分で選んだコースの方が納得感もありますし、きっと頑張ろうと思えるのではと思います。

3時間目はオンラインゲームのリスクなどに対する保護者向けの勉強会があったのでそちらに参加してきました。
授業参観の中でこのような保護者向けのイベントがあるのもイマドキですね。

4時間目は保健体育の授業で「ケガの防止」という単元だったのですが・・・
最初の入り口が「どんなときにケガをするのか」という内容で、身近に潜む危険を子供たちが出し合っていきます。

学校帰り坂道を降りていくとき、自転車に乗っているとき、公園で遊んでいるとき、地震が起きたとき、、、
そのような意見に対し、先生が、
「2年生のときに町歩きをして危険個所の確認をしたよね」
「3年生のときに警察署が来て自転車ルールを教えてくれたよね」
「4年生では河川堤防を見学に行って災害の危険について学んだよね」
など、これまでの学習で教わったことと、「ケガの防止」という授業とを繋げて考えさせているのです。

これには大変驚きました。
少なくとも自分の記憶では、小学校はおろか、高校生のときでも、「教わったことを繋げて考える」ことはなかったのではないかと。

確かに繋げてみると、今学んでいることは過去に教わったことと関連があることは多いのかもしれません。
そういうことを意識させて学ばせている今の小学校教育は、昭和世代の自分にとってはとても新鮮で、かつとても効果的な授業だと感じました。

現クールでやっているドラマの中で文部科学省が批判的に描かれていますが、昨日の授業を見る限りは、子供たちが世の中で通用する力を付ける教育を受けていることを実感し、「すごいな、文科省!」と感じました。

イマドキの教育を受けている彼らが世の中で活躍する20年後に日本がすでに手遅れになっていることのないよう、今を生きる我々大人がしっかりと日本を繋いでいかないと、と気持ちを新たにしました。

※イラストはChatGPTに描いてもらいました

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