自分の太ももすら食いたい
太ももを細くしたい。
そう思いながら、私はフォームローラーの上を転がっていた。自分の体重が憎らしいほど、体が肉い。8月に入ってからと言うもの、お酒ばかり飲み続けていた。負担をかけていた肝臓と胃を休め、そしてダイエットもしようと、その日は休肝日にすることを決めていた。
仕事から帰宅すると、私はすぐに宣言をした。本当は宣言する必要なんてどこにもない。それでも私は、先に帰宅してビールを美味しそうに飲んでいる夫に「今日は休肝日だから!」と語気を強めて言った。鼻息がふわふわとあたりの空気を揺らした。宣言したぞ!と胸を張って、私は台所へと向かう。冷蔵庫を開けてカロリーのほとんどない刺身こんにゃくともずくを見つけた。ビールを飲めない口寂しさを埋めるため、こんにゃくをよく噛みながら夕飯の準備をする。「塩焼きがおすすめ」と書かれたシールが貼ってあった鶏の肩肉をフライパンで焼く。フライパンで焼いている間にXを開くと、みくまゆたんさんが面白そうなポストをされていた。(noteにも同じ呟きがあった)
性格新聞というものを作ったというつぶやきだった。どうも、心理テストの類のようである。
肉が焼けるまでの間、私はフライパン片手に心理テストをすることにした。
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テスト結果を見る。
のフレーズに、めちゃくちゃ当たってる!と思った。
はて、心理テストの質問に辛いものに関する質問があっただろうか。無意識で答えていたので、どんな質問があったかは正直あまり覚えていない。
でも、うわぁ当たってるわぁと思った。
ちなみに辛いものは好きだけど、激辛は食べれない。尻が辛くなると、辛いものを食べたんだと実感ができて、若干テンションが上がる節がある。
そして、おやすみ3秒で寝れるタイプだ。
なぜわかる。心理テスト。
あまりのパワーワードに、私の口からこの言葉が出なかったことが悔やまれた。
自分の太ももすら食いたい
言ってみたかった。誰の力も借りず、この言葉を発してみたかった。
そういえば、「何食べたい?」と聞かれると私の答えはいつも決まっている。その答えは「肉」だ。それしか言わない。馬鹿の一つ覚えみたいに、いつも「肉」と言っている。肉の種類は牛か鶏と相場が決まっていて、豚はあまり食べない。共食いだとでも思っているのだろうか。そうではない。豚肉は家で食べるものと思っていて、あまり外では食べないだけだ。豚肉も好きだ。
ここでも私は、心理テストに肉の質問があっただろうかと首を傾げる。覚えていない。でもまた当たっていると思った。何だこの質問、という質問だったし、テキトーに答えたが、当たっている。心理テスト面白い。
そして私はお腹が空いたので、口寂しさにじゃがりこチーズ味を食べてしまった。
果たして私の太ももが細くなる日は来るのだろうか。
どうせ食べるなら脂肪分がない筋肉質な肉がいい。私の太ももはそれには該当しない。そもそも、自分の太ももを食べたいなんて思わないけど。