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お湯のない浴槽で3月9日を歌う、三月九日。
「お風呂に入ってくるね」
そう言って私は着ていた洋服を全て脱ぎ捨て、風呂場へと向かった。
そして、風呂場のドアを開けて、愕然とした。
お湯が張られていない。
風呂場は私が今朝掃除をした時から姿を変えずそこにあった。私を迎え入れる体制が整っていない。ああ、と私は落胆してすっぽんぽんで肩を落とした。
私はお湯張りボタンを押していなかったらしい。らしいではない。お湯張りボタンを押していなかったのだ。確実に。毎日のルーティンすぎて、押したか押してないかも覚えていない。覚えていないのではない。押してない。よくある話だ。一ヶ月に一度、同じことを私はする。
生まれたままの姿で私は浴室の前で立ち尽くした。
そして私は自問自答した。
どうする?
どうする?
脱いだ服を着て、風呂が沸くのを待つ。
▶︎ 沸いてない風呂に入る。
そう、お酒を飲んでいい感じに気持ちよくなっていた私は、洋服を着るのがめんどくさいからもういいやとそのまま風呂を沸かしながら、風呂に入ることにした。
体を簡単に洗い流し、お湯のない浴槽に入る。
さ、寒い。
しかし大丈夫。私には予備暖房という味方がついている。ふふ。そんなに寒くない。そして、足元には次第にお湯が溜まっていく。
じわじわとお湯が溜まっていくのを私は体で感じた。
そして、私は突然歌い出した。レミオロメンの3月9日を。
堀北真希、かわいい。山本耕史羨ましいぞ。
そして、風呂は順調に溜まっていき、私の体も温まってゆく。
レミオロメンを知ったのは、いつだっただろうか。多分、まだ私が二十代だった頃、福岡市東区の海の中道海浜公園で行われた野外フェスで彼らの音楽を初めて聴いたような気がする。圧倒的な歌唱力だった。
夏の野外フェスはとにかく熱を帯びていて、私はその空気感がとても好きだった。好きなアーティストもいれば、興味のないアーティストもいる。でも、みんな夏の熱に浮かされて、とにかくどのアーティストでも盛り上がる。
明るい時間に始まって、次第に空は橙色に染まっていき、夜が更けていく。時間が遅くなればなるほど、ステージに立つのは人気のアーティストになっていく。そんな中で、明るい時間にまだ若かった彼らの音楽を聴いたんだったっけ。
なんか楽しかったなあ、なんて思いながら風呂場で歌を歌った。
気がつけば浴槽のお湯はたっぷりと張られていて、私はゆっくりとお風呂に浸かることができた。
なんてことをいい感じに書いてみたけれど、冷静になって考えると沸いていない風呂に入るなよって思った。どんだけせっかちでめんどくさがりなんだ私は。
そんなことを考えながら、この記事を書いていたら、長男が背後からヌッと現れて、記事のタイトルをチラ見した。
そして、3月9日を歌いながら去っていった。
新たな世界の入口に立ち
気づいたことは 1人じゃないってこと
ヤスさんの毎日投稿トレーニング企画に参加しています。
毎日投稿は元々するつもりだったんで、参加してもしなくても継続するんですが、共同マガジンというのに参加するのが初めてなので、なんか同じ目的でコミュニティが形成される面白さを感じています。まだ初日だけど。
みんなで66日間、走りきろうぜ〜みたいな気持ち。
そして、ここ何日か、なんか日記を書くのが楽しいな〜って思ってます。ただあったことを書くだけなのに、なんで楽しんだろう。ストックと日記と色々組み合わせながら投稿していきます。創作もしたいけど、時間がかかるんだよな〜。もうちょい筆が早くならんかな。
今後はぜひ、日記なのかストック記事なのか予想してみてください。当たった人には……、
何かいいことがありますように!