ギャル曽根は信用に足るので、塩水からあげを作ってみた。
ギャル曽根が美味しいと言えば、美味しいんだろうと信用してしまうタチである。ギャル曽根がレモンを甘いと言えば、あのレモンは甘いんだろうと思うかもしれない。私がかけているメガネは伊達メガネですとギャル曽根が言えば、レンズが入っていないメガネをかけているから全てのカロリーはゼロになっているという理由でギャル曽根は太らないのだろう、とギャル曽根と同じ伊達メガネを買い求めてしまうかもしれない。
とある晩のこと。
食事中に有吉ゼミを見ていたら、九重部屋の塩唐揚げがめちゃくちゃ美味しそうに映っていた。
ギャル曽根が「この唐揚げ美味しすぎて、うちもこの唐揚げに変えました!」と言うようなことを言っていた。一言一句は覚えていない。ギャル曽根を信用している割に、記憶は曖昧だ。仕方がない。それが私という人間の適当なところである 。
言葉の記憶は曖昧だが、私はその時の感情をよく覚えている。
なんだそれ!
うまそうすぎるではないか!
私も真似をしたい!
そう思った私は、早速塩水からあげを作ってみることにした。
塩水からあげは、鶏肉を塩水に漬けてから唐揚げにするというだけのもの。
ふふん。簡単やないの。これは私でも容易に作れるに決まっている。
安直な私は、安直にレシピも見ずに調理を進めることにした。
一応、テレビで見た情報を思い出そうとしてみる。確か九重部屋では鶏肉をたっぷりの濃いめの塩水に丸ごと漬けて、そのまま揚げていた。私は揚げた肉を切るのが苦手なので、事前に切ることにした。
話は変わるが、揚げた肉を切るのが上手な人は本当にすごいと思う。あれは本当に難しい。熟練の技がいると思う。
まず、熱い。
次に、熱い。
さらに熱い。
揚げたての肉は非常に熱い。
しかも、鶏肉なんてものは皮までついているではないか。揚げたての肉に包丁を入れて切ろうとしたら、グニっと皮だけが肉から離れてしまい綺麗に切れない。美しくない。盛り付けにくい。ありえない。めんどくさい。うわーん。美味しそうじゃないよー。
みたいな気分になるので、私は焼いたり揚げたりしてから切るのは避けるようにしている。
そのため私は、鶏もも肉を事前に一口大に切っておき、塩水に漬けておいた。私は唐揚げ作りを三度に分けて作業する。まとめて作業する時間が取れないので、いつからかこのスタイルになった。
と言うことで、前の晩に塩水につけておいた鶏もも肉を、翌朝、軽く揚げておき、夕方カリッとなるまで揚げてみた。
じゅ、じゅ、じゅ、ジューシー!
切らずに揚げたほうがもっとジューシーなのかもしれないが、十分美味しかった。醤油味の唐揚げよりあっさりしている。息子たちは少し物足りなかったのか、途中で味変も兼ねてマヨネーズをかけて食べていた。塩味ということで、味変もしやすいかもしれない。
九重部屋とギャル曽根は間違いないんだろうなぁと改めて実感した食卓だった。