詩|7分間、沸いている。
湯を沸かすのは卵を
茹でようと思ったか
らなのだが、鍋に卵
が入っていない。私
の頭が沸いている。
沸かした湯を沸いた
頭で眺め、手に持っ
た携帯電話で何をし
ようとしたのかを検
索しても解らない。
役に立たない文明の
利器め!と沸いた湯
で、携帯電話を茹で
てみると、ふと卵の
ことを思い出した。
ゆで卵を作るんだっ
た。携帯電話が熱湯
の中で叫び続けてい
る。熱湯の中でも壊
れない?!まじか!
というところまで妄
想してタイマーが鳴
る。茹で上がった卵
をむくとちょうど良
い半熟になっていた