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33年越しに『わかったさん』が教えてくれた父の思い

自己肯定感、自尊心ゼロだった人間が約2年前に12年勤めた会社を退職し、自分らしくありのままに生きる道を模索中の日々を綴っています。

数ヶ月前に「ずっとやりたかったことをやりなさい」という本を読んで、12週間のワークの内、10週目で止まってしまっていました。

そんな中でも、モーニングノートという毎朝のジャーナリングは続けていて、先日そのモーニングノートで思い出された小さな頃の温かくてせつない思い出が、意外なシンクロニシティを生み出してくれました。

小さい頃、私の父は単身赴任をしていました。

小学校低学年くらいまでは、週末に父が帰ってくるのを心待ちにしていて、帰ってくるたびに喜んで父を迎えていた記憶があります。

普段とても温厚な父が、一度だけ私に激しく怒りをあらわにしたことがありました。普段、めったに怒ることがなかったので、何十年も前のことなのに今でもその時のことを鮮明に覚えています。

幼いころ、私は本を読むのが好きでした。なかでも本の世界に入り込めるような感覚が味わえる『こまったさん』『わかったさん』シリーズが大好きで、新刊が出るたびに、お願いをして購入してもらっていました。

その時も、新刊を買ってもらえた日で、母と「手伝いを終えたら、読んでいい。」という約束のもと、嫌々に(笑)手伝いを終わらせて、自分の部屋で買ってもらったばかりの本を読んでいました。

そこに数日ぶりに父が帰宅しました。
いつもなら喜んで迎えるところを、この日は、ようやく読み始めることができた本に夢中で、視線を本に落としたまま、そっけなく「おかえりー。」とだけ言いました。

しばらくして父が、私の部屋にきて「母の手伝いをしなさい。」と言いました。私は「もう手伝った。」と言いました。

何度かこのような押し問答をしたところで、父が私の本を取り上げて、カバーを切って捨ててしまいました。

「母と約束して、守ったのに。」と泣きながら訴えました。

ここまできたところで、母が父に事情を説明しました。

翌日、私の枕元には、昨日父が切って捨ててしまったものをセロテープでつなぎ合わされたカバーがかけられた本が置いてありました。

幼かった私は、この時の父の思いを推し量ることができず、何も伝えることができませんでした。

この思い出は、数週間前にもモーニングノートで浮かんできたことがありました。

そんな思い出が、昨日再びモーニングノートで浮かび、ふと『こまったさん、わかったさんを今でも読めるのだろうか』と、検索してみました。

すると、偶然にも先月『わかったさん』の新シリーズが33年ぶりに発売されたことを知りました。

今は、自分の中の目標がなにか一つ達成出来たら、ご褒美にこの新刊を買うことに決めています。


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