【はちみつブーム】
母が認知症になってから、次から次へと色々なことがあり、その度に私はこの先の事が不安で眠れない日が続きました。
ところがそんなある日、母の孫である息子が一言。
「ばあちゃん、今度は何のブーム?」
そういえばそうだった!
今まで様々なことがあったけど、間もなくすると母はそんなことがあったことすら忘れてしまい、何となく落ち着くのです。
【被害妄想ブーム】に【漢字書けないブーム】や、ここではちょっと語れない【夜這い事件ブーム】などなど。
それからというもの、何かあったとしても「どうせブームだから…」と考えられるようになり、眠れないほど悩むことがなくなりました。
そして直近では【はちみつブーム】です。台所の食器棚に入れてあったはずのはちみつが、朝になると冷蔵庫に入っているという事が何回か。
しかもだいぶ減っている。
他の家族に聞いても知らない、と言うので母の部屋を探してみると、はちみつがたっぷり入っているコップが棚の奥に隠すようにしまってあったのです。
隠したという事は罪悪感があったんだろうなと、かわいそうになりました。
ここであれこれ問い詰めたとしても、本人は何も覚えていないのでお互いに嫌な気持ちになるだけ。
そこでこっそり母の部屋のテーブルに置くようにしたら(写真はそれです)何事もなかったかのようにコーヒーに入れたりして使うようになり、【はちみつブーム】は一旦落ち着きました。
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