【回想法】
認知症になる以前から、母の回想内容はいつも同じで、自分の苦労話や自慢話しかない。
早くに連れ合いを亡くして3人の子供を育て上げ、3つの仕事を掛け持ちして家まで建てた、というもの。
昔からことある度に聞かされ続けている私たち兄弟は、この話題になると感謝どころか、うんざりしていました。
ところが、認知症になってからはその話を聞くのが嫌ではなくなったのです。
同じことを話す母に、以前ならその度に「はいはい、わかりましたよ。」という態度だったのに、今は「本当だね、すごいね!大したもんだよね。」と心から言えるのです。
すると、朝起きた時などに「あなたがいつもすごいねと褒めるから、寝ながら我ながら大したもんだなぁと思ったよ。」と言うようになったのです。
たった今話した内容すら忘れてしまうのに・・・
そしてその時にも「本当だよ、大したもんだよ。」と言うと、とても満足気な表情になるのです。
こんなに喜ぶなら、認知症になる前に言ってあげれば良かったなぁ。。。
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