睡眠導入剤とワイン
いつ頃からか、母は睡眠導入剤を飲んでいました。
「あれだけ昼間寝ていたら、夜は眠れないでしょ。」と言うと、母は「昼寝なんかしていない!」とよく言っていました。
職場でこの話題になると「うちの年寄りもおんなじこと言う!」と、たいていの人が同意してくれます。
イケメン薬剤師も「お年寄りは睡眠導入剤が大好きですからね。」と、ニコリともせずに処方してくれたのを思い出します。
認知症と診断される以前から、母は寝酒によくワインを飲んでいました。
それでも眠れずに睡眠導入剤も飲む毎日。
そんな時、認知症外来の医師から「アルコールと睡眠導入剤を一緒に飲むと認知症のリスクが高まる可能性がある。」と言われたのを期に、まずワインをやめさせてみました。
元々母は、それ程ワインが好きと言うわけでもなかったので、結構あっさりやめることができました。
その頃すでに、部屋を片付けることができなくなっていた母に替わってあれこれ整理していたら、部屋のあちこちから栓の開いていないワインが何本も出てきたのですが、それは私がありがたく頂きました。
そして少しずつ認知症が進んでいき、他の薬も私が管理するようになってから、睡眠導入剤は母から「眠り薬は?」と聞かれた時だけ飲ませるように。
するとそのうち、そんな薬を飲んでいたことすら忘れてしまったので自然とやめることができました。
現在は昼夜逆転している日もありますが、だからといって夜眠れないという事もなく穏やかです。