幸せに効く最強の薬(2/3)【血迷いがちな幸せ論(4)】
1はこちら。
幸せに効く最強の薬(わたし編)
前回は、
幸せは環境じゃなくて現象なので、幸せであり続けるためには何度でも繰り返し幸せを発生させなきゃいけない。
でも「ひとは慣れる」ので、そのためには本質(自分の内面)を変える必要がある。
本質を直接変えるのは難しいので、表面の変化を利用するのがいい。
みたいなことを書きました。
で、わたし自身はわりと幸せを生み出すメカニズムを見出してるという話でして、具体的にそれは一体なにか? というのが今回の話です。
結論から言います。
「幸せに効く最強の薬(わたし編)」はなにか?
創作です。
創作は最強の「幸せ発生ツール」
わたしにとっての創作は「物語をつくる」ことなので、その前提で話します。
なぜわたしにとって創作が最強の「幸せ発生ツール」になるのかを説明するのには、幾つかのステップが必要です。
まず直接的には、わたしが創作中「フロー」に入れるからです。
「フロー体験」という言葉を聞いたことがありますか?
「ゾーン」とか「忘我状態」と呼ぶこともあるそうですが、アメリカの心理学者である故・ミハイ・チクセントミハイ氏が提唱した概念です。
要するに「時間を忘れるほど没入した状態」ということで、この状態にあるひとはとても「幸福」だと言われています。
いつごろからそうだったのか、正確には覚えていないのですが。
わたしは物語を書いていると、時間の感覚がおかしくなります。
朝だったはずがいつの間にか深夜だったり、一瞬で数時間経っていたり。
それは「なんとなくぼーっとしていたり、だらだらしていたら一日が終わっていた」という感覚とは全く違います。
数時間が一瞬で過ぎたような感覚なのに、とてつもなく充実した時間を過ごしたという実感があるのです。
日常のこまごまとした煩わしいことや悩み事、過去の後悔、未来の不安など、全てのものから自由になって、ただただ物語に没入する時間は何者にも代えがたい幸福です。
その幸福感自体は書いているときだけですが、その前後の時間を完全に切り離してくれるという副次的な効果もあります。「とてつもなくよく寝た」というように、精神をリセットしてくれるのです。
ただし、物語を書けばいつでもそうなれるわけじゃありません。
創作がわたしにとって「幸せ発生ツール」になり得る条件があるのです。
フローに入れる条件
ごくシンプルに言えば、
「わたし自身がその物語に夢中であるとき」
が、フローに入れる絶対条件です。
早く続きを書きたい、この先を知りたい。登場人物たちの感情を余すところなく描ききりたい。
そのためには今の自分の実力を百パーセント出しきる必要があります。いわば物語との真剣勝負です。
自分が本気で描きたいと思っていて、面白いと思っていて、描く価値があると思っていて、極度の集中状態に入っている。そういうときだけ、フローに入れます。
だから過去の例で言うと、
「この作品はどうなんだろう……」
「本当に自分が書きたいのはこれなのか?」
「この展開は違うかもしれない……」
といった感情にとらわれた場合、絶対にフローには入れません。
過去それで完成を断念した作品もあります。そういう場合に無理矢理完成させたものもありますが、今見返しても自分で駄作だと思ってしまいます(ちなみにこれは、世の中的な質とはまた別の話だと思います)。
で。
じゃあどうすれば、よりフローに入りやすくなるのか?
それも一作だけじゃなく、何作書いても「慣れてしまう」ことなく幸せを感じ続けることができるのか?
たまたま一度フローに入れただけでは「幸せを生み出す"メカニズム"」にはなりません。
再現性を高める条件が幾つも繋がる論理があって、初めて"メカニズム"と呼べるものになると思います。
と、いうわけで……それを次回お話しする予定です。
お読みいただきありがとうございます。
さらばでした!
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