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芽キャベツ畑でつかまえて

芽キャベツの存在をいつも気にかけている。
私の中では「ミニチュア野菜」と呼んでいる。
玉ねぎをちっちゃくしたようなペコロスや、とうもろこしの子供みたいなヤングコーンもだ。
なんだか特別な感じがして、見かけるとつい買いたくなる。

ある日、近くの直売所に行った。いつも新鮮な野菜が売っていると評判である。
ほうれん草やねぎ、白菜、いつものラインナップが並んでいる中、私は目を奪われた。芽キャベツが大胆にも、茎ごと売られていたのだ。


正直、この凹凸が、なんとも気持ち悪い。初めて見る南国の植物みたいに圧倒されてしまった。

というか、こんなふうに芽キャベツが実るということが意外すぎた。じゃあどんなふうだったらよかったのかと言われると、困るけれど。一つ一つ土に植っていたとしても変だよね…


そして「一個ずつ収穫するのめんどいから、茎ごと売っちゃえ〜」ていう芽キャベツ農家さんの思惑よ。私はズボラなのでその気持ちはよくわかる。

茎にびっしりと実った芽キャベツに最初は動揺してしまったけど、私の芽キャベツ好きは揺らがない。
好きな人の格好悪い姿や意外な一面を見て途端に気持ちが冷めてしまうことがあるけど、それは、そこまで好きじゃなかっただけだと思う。
芽キャベツの茎を握り締め、レジに直行した。



家に連れて帰った茎まるごと芽キャベツ。
早速一つずつ包丁で実を外してみる。
これが案外楽しくて、まるで収穫しているような気分になれてお得だ。包丁で茎から外すと、見慣れたいつもの芽キャベツになってちょっとホッとする。


さて、どのように調理しようか?


まず半分に切って、フライパンで焼き目をつける。

水を少量入れて蓋をして蒸し焼きにする。


塩胡椒、粉チーズを振って炒めれば出来上がり。



芽キャベツは食感が楽しいし見た目が可愛いから、なるべくそのままの形で使いたい。そうなると自ずとシンプルな調理になってくる。


口の中でざくっとして、ほろっと崩れる感じがいい。直前まで茎についていたからなのか、新鮮な気もする。茎ごと売ることの恩恵がこんなところにもあったわけだ。


ちょっとかさばるけど「茎まるごと芽キャベツ」
いいかもしれない。芽キャベツ農家さんは収穫が楽ちんだし、買う方は家で収穫体験ができる。しかも新鮮。Win-Winだね。



もし見つけたら、その見た目に怯まずに買ってみてほしい。

もちろんライ麦畑とは
関係ございません







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