「コメダの奇跡」2023.11.15日記
2023.11.15日記
今日は予定のない日。
予定を入れずに過ごす。文学フリマで買った稀人ハンタースクールの仲間が書いたzineをカバンに詰めてコメダ珈琲へ来た。
平日の昼下がり、お客さんは少ない。広い席に案内してくれた。
コメダブレンドたっぷりサイズを注文したところで、1冊目のzineを手にとる。初めてのzine作りに一緒に四苦八苦した仲間のzine。
そこまで怖くないので「怪談」じゃないよ、「ホラー」だよとの前振りがあったが、読み進めるとゾワゾワと鳥肌が立った。情景を思い浮かべては背筋が寒くなった。コメダの温かい空気の中で良かったと心から思う。
読み終えて思うこと。テーマはホラーであったけど、すべては彼女の体験談。物語を通して彼女の幼少期の暮らしや、家族との関わり、友人、人生の軌跡を少しばかり知ることができた。それが私は嬉しかった。稀人ハンタースクールで出会い、共に学んだ。zine作りという共通の体験を通して、たくさんの言葉と心を通わせた。彼女のことをもっと知りたい。これまで誰にも語ってこなかった奇妙な体験は、彼女の内の内。
自分の体験を今回zineに書いたことを、さらけ出してしまったみたいでザワザワすると彼女は言った。「ホラー」に震える人もいるかもしれない。もっと怖いものを…と期待する人もいるかもしれない。私はしっかり彼女の内の内を受け止めたい。
物語を読んで、何を受け取るのかは受けとり手次第だ。
爆笑必至、お師匠・川内イオさんのフルスロットル子育て日記を読んでも、泣けてしまった。最初は吹き出し、声をあげて笑った。親方夫婦が一緒に子育てに向き合う姿を想像しているうちに、自分たちの子育ての時間に思いを馳せた。コリスが生まれた頃を思い出した。その頃の自分はどうだったのだろう。悲しいけど、辛かった日々のことも思い出し、泣けてしまった。
今がしあわせなので、過去もあれで良かったのだと思うようにしている。それでももっとこんな風にできたら良かったなと思ったりもした。面白い本を読んでも泣いてしまうのは私の受け取り方なのだ。
稀人ハンタースクールの他のみんなのzineもこれから読むのが楽しみだ。本を通してその人を知る。文は人となり。少しでもみんなのことを知りたい。
コメダブレンドをすすりながら、スマホを触る。メッセンジャーにメールが届いた。仕事のメールだった。
コメダブレンドをゴクリとひとくち。
いつか一緒に仕事できたらいいなと思っていたところからのメールだった。
やっぱり余白を空けていることが大事。
無理にスケジュールを埋めずやりたいことをやる。余白を作っておく。
余白たっぷりの心とスケジュール。
ふたつ返事でYes!だ。
しばらくメールのやり取りをして、コメダ珈琲を出る。
コリスの帰りを待ちながらカレーを作る。
「ただいまー」
コリスが帰ってきた。みいちゃんと少しゲームをして、お風呂に入って、ごはんを食べると、出張からパパが帰ってきた。
コリスとパパと戯れているうちに寝る時間になってしまった。
パパと遊び疲れたコリスがトコトコとやってきた。
「ママ、今日は宿題おやすみしていいかな。連絡帳に書いてくれん?」
「いいよ、今日は帰宅後疲れていたので宿題お休みしますと書くね」
ベットに入ると、たくさんパパと戯れたコリスは早々に寝息を立てた。
横になり、自分のことを考える。
お師匠の川内イオさんはいつも言う。
「ライターは会いたい人に会いに行ける仕事だ」と。
私も会いたい人に会いたい、会って話が聞きたいと思った。
3月から稀人ハンタースクールに参加して、たくさんの寄り道をしてきたが、
ライターとして記事を書き始めた時にいつかこの人に会いたい、一緒にお仕事したいと思った人とのお仕事が叶った。すごいことだ。
お師匠はいつも言う。
「いい仕事がいい仕事を運んでくる」と。
目の前の仕事に魂を込めてやることが大事なのだ。猪突猛進型の私は、聞いた言葉をそのまま解釈してひた走る。自分の心に正直に、手放すものは潔く手放して、欲しいものは欲しいと言う。
それを続けていたら、夢だと思っていたチャンスが舞い込んでくる。
お師匠はたくさんのことを教えてくれるけど、獲物をくれるわけではない。獲物の獲り方を教えてくれる。本でもスクールでも同じだと思っている。
言葉をどう受け止めて、どう動くかは自分次第。
自らが1番たくさん狩に出て、ハンティングしているお師匠の背中を見て学ぶことが1番の学びになる。
そして、一歩を踏み出す勇気。「ひとりじゃない」と思えることが、こんなにも力をくれるとは。飛び込んで怪我をしたってみんなが声をかけてくれるだろう。お師匠もみんなもナイスファイト!と声をかけてくれるだろう。スクールで学ぶうちに、いろんなことへ一歩踏み出すことへのハードルが下がってきた。ライティングを学ぼうと思っていたら、生き方が根こそぎ変わっていた。
大学卒業後、新卒で就職して2社で約19年会社員として働いた。41歳で会社を辞めてフリーランスになった私は、お師匠のフリーダムで力強くて、「自分が楽しいと思えることしかしないから、ストレスないよ」っていう生き方に憧れた。
我慢しない。嫌なことはやらない、自分が楽しいと思えることをやる。
よくよく考えたら当たり前のことなのに、「仕事は我慢」「我慢してお金を稼ぐ」、なんとなく身体にしみついていたように思う。
無意識にそう動いてきた。やりたいことがあっても、家族のために、子どものためにと、確認することもせずに諦めてきた。「ハンタースクールのみんなに会いたい」との一心で、夫に予定を交渉するようになった。次第に外へ外へと出ていくことが楽しくなった。楽しくなると家族にも優しくなった。自分にも優しくなった。
いろいろやってみた。やってみて楽しくないと思ったこと、楽しくなっくなってきたことは手放した。手放す勇気がないときは、スクールの仲間やお師匠に話を聞いてもらった。「余白が大事なのだ」と教えてくれた。
楽しいことをして生きる。
余白を空けておく。
いい仕事がいい仕事を運んできてくれる。
ライターをしながら会いたい人に会いに行く。
少しは私もハンターに近づけているだろうか。
明日からまたがんばろうと眠りについた。
読んでいただきありがとうございます。 noteで出会えた奇跡に感謝します✨ サポートいただけましたら楽しい寄り道に使います。