
「100人の大人と出会おうプロジェクト」小学校での体験
今週水曜、13日に大阪の小学校でお話しする機会をいただきました。
※表紙はにょんさんが作ってくれたスライドです。
にょんさんとの出会い
9月に、福岡糸島の本屋アルゼンチンで開催した「稀人ハンター川内イオさんとまなぶ_誰も教えてくれない『稀』発掘体験」に参加してくれた、にょんさんにご縁をいただき、小学校の5年生の総合科目の授業で取り組んでいる「100人の大人に会おうプロジェクト」にゲストに呼んでいただき、100人の大人のひとりとしてお話ししてきました。
最初にプロジェクトについて話を聞いた時は、なんて面白い取り組みなんだろう!と。そして、正直びっくり。勝手な先入観で、公立の小学校というと、もっと堅いイメージがあった。決まっていることを、間違いなく進めるのが学校だと思っていた。学校とは異なる世界で生きている私のようなフリーランスが、小学校で子どもたちにお話しする機会をいただけることが、すごいことだなと思った。
9月に開催した稀人ハンター川内イオさんイベントのレポートはこちら!
https://note.com/sao7878/n/n8aedf4e71e23
コンテンツをどう作る?
9月に糸島のイベントでお会いした時には、ふたりでゆっくり話しをする時間はなかった。その後、フェイスブックでつながり、zoomで2回ほど話した。そこで、浮かび上がったキーワードを、にょんさんがピックアップしてくれた。どうやって進めていこうか……と話しているなかで、浮かび上がったキーワードをもとに、細かな流れを決めすぎずに、子どもたちも一緒に当日の「場」を楽しみながらやってみようと決めた。
本屋アルゼンチンのインターンでも取り組んでいる、その場を一緒に面白がることで生まれる偶発性を大切にしようと。ジェネレーターになれたらいいなと。ふたりとも本屋アルゼンチンが好きで、本屋アルゼンチンから広がる本や人、概念など、ふたりの間に共通言語がたくさんあったことはよかった。なにより話が早い。そんな感じでいこー!とトントン拍子ですすんだ。
にょんさんが作ってくれた資料はこちら。似顔絵もにょんさんが描いてくれた。子どもの頃から絵を描いたり、創作が好きだったそうだ。先生になってからも、一時期、消しゴム彫刻作りにハマったそう。



ホワイトボードに貼ったキーワードを見ながら、気になるものはあるー?とにょんさんが子どもたちに語りかける。進行はにょんさんに全力でお任せして。にょんさんは、子どもたちの様子や反応を見ながら、質問を募集したり、私に話を振ったり、準備していた写真を紹介したりする。「場」の温度を見ながら調整してくれていて、すごいなあと思った。

最初に手を挙げてくれた子どもからの気になるキーワードは、、、、なんと、「人生の目的」について。最初にそれくる?!という私にとって難解なキーワードだった。
「人生の目的」って難しいなと思いつつ、「楽しく生きること」と話し始めた。いろいろ話しているうちにたどり着いたのは、「未だ見ぬ世界を見ること知ること、行くこと」。人や場所、コトに出会っていきたいのだと。

なんせ、その日小学校へ向かう道のりが楽しかったのだ。前泊した新大阪のホテルを出て、電車を3回乗り換えた。初めての駅、知らない土地に向かうワクワク。にょんさん働く学校や、先生たち、子どもたちに出会えるワクワクが止まらなかった。知らない、わからない未知の世界に飛び込むことは、不安でもある。でも同時にそれは、ワクワクでもある。人生って、知らないこと、未知のことを知っていくことでもあるのではないか。そういう話をした。

自分が生きられる人生はひとつ。自分として生きられる人生は一度きり。知らない世界を知りたい、自分ではない誰かが生きている世界を知りたい。誰かの人生を聞いた時、そこにある面白さや、そこで得た楽しく生きるヒントを誰かに伝えたくなる。人生の物語を伝えたい。それが私の「聞いて書くこと」の原動力でもあるのではないか。帰りの新幹線で、この日、子どもたちからもらった質問を振り返りながら考えた。
他にも、旅のこと、仕事のこと、好きなこと、取材させてもらった方のこと、周りにいる面白い大人たちのことを話した。最後に、少しだけ先生への公開インタビューもさせてもらった。先生の幼少期の記憶、人生の転換点のエピソードを聞いたところで、およそ2時間のプロジェクトが終わった。

子どもたちからの質問
人生の「目的」とは?
「聞く楽しさ」を知ったのはいつですか?
人生で1番辛かったことはなんですか?
サオリス・ユーフラテス、名前の由来は?
旅で一番印象に残っていることは?
旅中に言語で困ったことはありましたか?
なぜ旅に出ようと思ったのか?
好きなことはなに?
バナナ好き?
好きなアニメは?キャラクターは?
スナコレファッションショーの服のテーマは?
などなど、意外性のあるもののからドキッとするような鋭い質問まで。時間いっぱい、たくさんの質問をくれました。もうひとつ嬉しかったのは、子どもたちと一緒に話を聞いているクラスの担任の先生も質問をくれたこと。旅好きで26カ国を旅している先生が、世界一周航空券について質問をくれた。旅好きな大人の本気の質問、嬉しかった。もっともっと先生とも語らいたかった。

4限目→給食→5限目
小学校以来、学校給食を食べました。蓮根とツナのサラダ、根菜のスープと白ごはんに牛乳。今日はヘルシーな献立ですよ〜と教頭先生が教えてくれた。校長室で教頭先生が淹れてくれた珈琲を飲むなんて。私の頭のなかは、ガッチガチの昭和で凝り固まっていた。小学生時代に読んだ「坊ちゃん」の世界観で止まっていた。どこもそうとは限らないが、思っているよりずっと、学校も先生たちも柔軟だ。やっぱり、動いて自分の目で見て、実際に会いにいくことは大切だ。
給食の時間をはさんだことで、授業以外にも、子どもたちと話すことができた。給食を一緒に食べることになった教室まで案内してくれたり、食器の片付け方を教えてくれたり。友だちのことを紹介してくれたりもした。30個の牛乳のなかでも2個くらいしか出ないという当たりを引いてしまい、ちょっとしたヒーロー気分も味わった。給食後の◯×クイズにも参加した。
子どもたちから、たくさんもらった
子どもたちに、なにか伝えられたらいいなと思って来たのに、その場にいるだけで、子どもたちから強烈なパワーをもらったのは私の方だった。みんなとその場にいるだけで、そこにみなぎるエネルギーが心にグイグイきて、泣きそうになった。教えるんじゃなくて、伝えるんでもなくて、教わっている。たくさんのことを、受け取っている。そう、感じた。
高校2年まで、学校の先生になりたかったことも思い出した。学校の先生にはなれなかったけれど、いろいろなご縁がつながって、今ここにいることに感動して、また涙が出そうになった。ハンカチを忘れていた私は、涙を堪え子どもたちと一緒に笑った。想像もしなかった未来がそこにはあった。子どもたちが夢を思い出させてくれた時、私の夢は叶っていた。子どもたちの夢も叶えたいと思った。
突然現れた、よくわからない名前の人に興味を持ってくれて、たくさん質問してくれた。大人も楽しいぞ!と伝えられたらいいなと思っていたけれど、生きてるだけで素晴らしい、夢は叶う!と子どもたちに教えられた。
一人ひとりの子どもたちは、そこにいるだけでよかった。
みんなが楽しく生きられるよう、私にできることは、ひとつしかない。やっぱり、私自身が楽しく生きることだ。楽しいと思うことを全力でやる。その先に、にょんさんとの出会いがあり、皆んなにも出会うことができたのだから。
「100人の大人に出会おうプロジェクト」、コリスの学校でもやれないかな……と考えてみる。子どもの頃に出会あう大人の存在って大切だ。家族か近所のひとか、習い事の先生か、家族の知り合いとかそれくらいだ。こんな生き方もあるんだってことを知ることができたら、世界が広がるかもしれない。
今日も明日も明後日も、全力で楽しんでいく。にょんさんとのご縁に感謝。にょんさんとのご縁を紡いでくれたイオさん、ジェネ公のみんな、本屋アルゼンチンに感謝。命をくれた両親に、これまで出会ってくれた人に、今生きていられることに感謝。
楽しいことを選んで打ってきた点が、想像もしなかった未来に私を連れてきてくれたように。すぐには役に立たないかもしれないこの出会いを、子どもたちがふと、思い出してくれるときがきたら嬉しい。
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