毎日note「人には人のタイミングってもんがある」
昨日夜、7歳の娘・コリスと二人、並んで歯磨きしていた時のことだ。
コリス:「ママ、明日わたし、トマト食べるね」
歯ブラシを動かす手を一瞬とめて、こちらを向いたかと思うと、コリスは急にそんなことを言ってきた。トマトはコリスが嫌いな食べ物の一つなのだ。
私:「え? どうした? なんかあった? なんで急に? あした? トマト?」
あまりに突然の「トマト食べる宣言」に驚いた私は、矢継ぎ早に質問を投げかけた。コリスの身に何が起きたのか、知りたくてたまらなくなったのだ。
落ち着いた様子でうがいを済ませたコリスがゆっくりと話し出した。
コリス:「今日のね、道徳の時間に”なまはげ”のこと習ったの」
私:「で? ”なまはげ”がどうしたの?
”なまはげ”がトマト食べなさいって言ったの?」
コリス:「ううん、違う。”なまはげ”は山の神さまで、町を幸せにするために、山から降りてくるんだって」
私:「へー。”なまはげ”って山の神さまなんだね。知らなかった。
じゃあ、なんで、急にトマトを食べようと思ったの?」
コリス:「なんか、”なまはげ”が来たら怖いなーと思って、トマト食べようって思った」
私:「へー。そう、思ったんだね」
コリス:「明日は1個、その次は2個、その次は3個食べるよ」
私:「よし、わかった。明日、トマト買ってくるよ」
コリスが、”なまはげ”の話を聞いて、なぜ、嫌いなトマトを食べようと思ったのか、未だにしっくりとこない。
”なまはげ”が好き嫌いをする子のところにやってくる、と聞いたわけでもないという。私の中では、”なまはげ”と”トマト”の因果関係を欲してしまい、しつこく聞き取り調査をしてしまった。でもそこに、明確な因果はなかった。
”なまはげ”の話を聞いたコリスの中で、なんらかの化学変化が起こり、
「明日からトマトを食べよう」と決めたのだ。
誰から何を言われるでもなく、コリスが自分で考えて自分で決めた。
これまで、トマト美味しいよーと言ってみたり、あれやこれやとトマトの調理方法を試してみたりもした。それでも、コリスはトマトが嫌いだった。
そんなコリスのトマト嫌い人生を、”なまはげ”の存在が変えた。
昨夜のこの不思議な体験は、
「人には、人のタイミングってもんがある」ということを
私に教えてくれた。
人は、何からでも学ぶし、何からでも学ばないことができるのだ。
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