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感情を失くすとうまくいく|日本語ロックの夜明け

先日、仕事の良いところとして「仕事は感情抜きで行うことができる。」ということを説明しました。下記、ドラッカーの言葉を引用した記事です。

仕事は人の好き嫌いとは関係ない。仕事は感情抜きで行うことができる。仕事以外に付き合いのない好きでもない人とも、仕事はできる。人の仕事に敬意を持つことさえできれば、嫌いな人とも仕事はできる。

『マネジメント(上)』P.F.ドラッカー(ダイヤモンド社)

その後、これは何も会社員だけに当てはまることではないよな、と気づくことがありました。

それは音楽についてです。とても感情的なジャンルに思える音楽においても、感情を抑えることで成功したミュージシャンがいます。

感情を抑えることで成功したミュージシャンは「はっぴいえんど」です。

はっぴいえんどは言わずと知れた、1970年代前半に活動した日本のロックバンドで、細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂によって結成された伝説の4名です。

当時、日本でロックミュージックを演奏するバンドは、ロックを体現するために現地の言語である英語で演奏をしていました。それが当たり前の時代で、内田裕也らが代表的な存在です。

彼らは感情を込めた歌い振りでアメリカのロックバンドの様に演奏をして人気を博しました。それが日本のロックにおけるスタンダードとなり、当時の新しい音楽ジャンルとして定着していきます。

そこに純粋な日本語の詩的な歌詞を載せてロックを演奏する「はっぴいえんど」登場しました。

歌詞の口調も敢えて「ですます」調が用いられ、「お正月」とか「花いちもんめ」とか、そういった日本語らしい日本語をうまくロックの演奏に載せました。

そして、ボーカルの大瀧詠一の歌い方にも重要な特徴があります。それが、感情を込めない歌い方です。

当時、感情を込めて激情的に英語の歌詞を歌い上げるロックバンド達に対向するように、はっぴえんどは極めて日本語的な歌詞を載せ、感情さえも排除して演奏をしていました。

これが功を奏すこととなり、彼らが残した3枚のアルバムは後世に多大な影響を残し、日本語をロックに載せるという文化まで作りあげたのです。

会社員としての仕事だけでなく、音楽のような芸術に関わる活動でさえも、やっぱり感情は失くしてしまうとうまくいくのかもしれない。

そんなことを思いながら、今日は久しぶりにはっぴいえんどを聴くことにします。

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