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RISE UP AGAINST.

「東京都 新たに67人感染————。」
「黒人男性死亡 ニューヨークでデモ————。」

世界で話題となった2大ニュース。
新型コロナウイルスと差別問題。

このニュースを見て感じた事、それは人間の弱さと強さ

突如として世界を震撼させたCOVID-19。
中国で発生源が確認されてから瞬く間に世界へ拡大された。
恐らく過去最凶のパンデミックとなったであろう。
人々は目に見えないウイルスに恐れ、他を顧みず自身の命を守るべく、
コンビニへとスーパーへと日用品を買い溜めに走った。

本来、人間という生き物は一人で生きていくことが出来な生命体であることから
社会というコミュニティを形成して発展して今日まで生きてきた。
しかし、今回のウイルスによって見えたものは、
社会を無視してまで生きようとした人間の脆さ、弱さである。
ウイルスよりもずっと怖い、人間の強欲さ
それを垣間見た瞬間であった。


しばらくして、ニュース番組・新聞の一面をかっさらっていった事件が登場した。
それは白人警官による行き過ぎた拘束で死亡した黒人の一般男性の件である。

なぜ、この件が大きく取り上げられたか。
ポイントは3つある。

1つ目は白人が警察官であったこと。
2つ目は死亡したのが無罪の黒人男性であったこと。
3つ目は過去何度も同じようなケースがあること。

以上3つのポイントが挙げられる。

古くは大航海時代に遡る。
当時、西諸国と呼ばれるスペイン、ポルトガルを筆頭に新大陸を目指して、
世界を航海したことをきっかけにアフリカ人、いわゆる黒人の存在が明らかになった。

そこから生まれた白人至上主義によって開始された奴隷貿易では、
西側に半ば強制的に連れてこられた黒人奴隷が農業従事といったように労働を強いられた。

特にアメリカは“サラダボウル“と称されるほど人種の混合が激しい。
当然、そこでは今でも白人至上主義を持つ人がいて、
スラム街と呼ばれる貧困街にいる多くの人種が黒人である。
彼らには生きていくうえでのチャンスが少なからず、事実として白人と比べて少ない。
人によっては差別されるなんて当たり前の世界で生きてきた人もいるだろう。

何百年にもわたって繰り返され、続いてきた人種差別問題
ポイントに挙げたように、白人という人種によって受けてきた支配や制限が
今回でいうと、“行き過ぎた拘束”にあたる。また、死亡させてしまった対象が
不利な環境で生きてきた黒人ということも事件が大きく取り上げられる要因となった。
そしてこのようなことが歴史的に見ても繰り返されてきた事実があったため、
ますます事件を大体的なものへとさせてしまった。

だが、これは前置きでしか過ぎない。
長くなってしまったが前置きである。

本当に伝えたいことは前半で述べたようにコロナに怯えていた人間が、
少しでもソーシャルディスタンスを保ちたい人間が、
ニューヨークで行われたデモのように集団になって差別反対を訴えかけたその強さである。

自身らが外に出て集団という密空間に属してウイルス感染するリスクを取りながらも、
差別からの自由を求めたその行為は社会というコミュニティで生きる人間の
本来ある心の強さではないかと感じ取れる。

過去にあったフランス革命でも、原子爆弾によってボロボロになった日本でも、
人々は一致団結して置かれている状況に立ち向かったのである。

そんな人間の強さ、姿勢を今なおコロナで苦しむ人々に伝えたい。

「RISE UP AGAINST.」
倒れてもまた立ち上がればいい


—2020年7月3日 空本 杉太郎―

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