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「旅猫リポート」#シロクマ文芸部



恋猫と悟は、或る日旅に出た⋯



シロクマ文芸部さんの今回の企画「恋猫と」を見た瞬間に、この物語を思い出した。

何度観ても泣けてしまう、大好きで私が大切に思う物語だ。

【レビュー】


人の言葉が分かる誇り高き野良猫のナナは、或る日交通事故にあってしまう。それを助けた悟(福士蒼汰)の元で飼い猫となったナナは五年間楽しく暮らしていた。

悟は小学生の時に両親を交通事故でいっぺんに亡くした過去を持つ。その時に飼っていたのが、愛猫ハチだった。
一人ぼっちになった悟を親戚は施設に入れようとしたが、それを阻止して育てると言ってくれたのが叔母(竹内結子)だった。だが仕事の関係で
「ペットは飼えない」
と言われてしまう。悟は

「ハチはペットじゃないよ。家族だよ!!」


そう言って、今までの家族写真を叔母に見せる。
「これも、ほら、これもこれも、全部ハチが一緒だよ。ハチは家族なんだ。これもこれもこれも⋯」
それでも悟はハチを手放さなければならなかった。

そんな悟が大人になって偶然出逢ったハチによく似た野良猫がナナだった。
或る日、彼はナナを連れて旅に出る。
冒頭⏬️(これだけでも観てね)



悟は事情があって、ナナを飼えなくなった為に飼い主を探す旅だと銘打っているが、実は幼馴染みや昔の友人達との再会をも目的にしている。

何年ぶりかに会う友人は皆、それそれに事情を抱えて生きていた。
例えば、気弱な幼馴染みコウスケは父の営む写真館を継いだために妻とうまくいっていない。
悟が生きてきた軌跡を辿りながら、ナナが人間のトラブルをそっと解決するきっかけを作っていく。

ツンデレキャラのナナだが、悟を想う気持ちだけは誰よりも強い。

小学生時代、中学生時代、高校時代の友人に会うが結局、悟は育ての親の叔母にナナを引き取ってもらうことにする。
ここまで書いてきて、皆さんお察しの通り、悟が抱えていた事情とは、重い病気を患って余命一年の宣告を受けたことだ。
そのために悟は、ナナの幸せの住処を探したかったのだった。

悟が亡くなった後、叔母は言う。
「悟は幸せだったのかしら⋯」

ラスト、ナナは再び野良猫になる決意をして家を飛び出す。

「僕は最後まで悟の猫でいる」


このナナの決断は決してネガティブなものではないと思う。やけくそでもツンデレだからでもない。悟との大切な思い出を胸に前向きに生きようとするナナの姿勢だ。


そう思っても、やっぱり泣ける。
何度観ても嗚咽が私を襲ってくる。だから今回、レビューも上手く書けなかった(泣)



この物語のテーマは

「自分を裏切らない他者の存在が自分の尊厳の支えになる」


悟もナナも決してお互いを裏切らなかった。
恋愛よりも強い絆で結ばれた二人の旅を是非観て欲しい。

余談だが、亡くなった主人が最初に入院した日本赤十字病院の壁に

「人間の尊厳の尊重」

と貼ってあったのを今でも覚えている。


小牧幸助さんの企画に参加させて頂きます。
よろしくお願いします。


ハチ、ナナ、
じゃあ次はロク?
いつきちゃん猫の帯をありがとう♡


今日は昼間のお仕事はお休み♪
の〜んびり、朝風呂に入っちゃおうかな〜♪
寒いから、皆さん、お風邪など召しませんように。

じゃぬーん♪

私の尊厳って何だろう?(苦笑)

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