□と○ どっちが好き? まずは□のプレゼンします。
餅の話です。
私の故郷は雪深い東日本にあって、子どもの頃は四角い餅しか知りませんでした。
お店にあるのも四角い餅だけ。
CMももちろん四角い餅しかやっていませんでした。
私が小学生の頃、お正月には手作りで餅を作っていました。といっても杵と臼でぺったらぺったらつくわけではありません。全自動餅つきマシーンが自宅にあって、もち米を投入すると餅をつくところまでやってくれるのです。
炊飯器2個分の大きさもあるそのマシーンに、もち米をいれてから、それが蒸されるまで大変時間がかかります。私はそれを今か今かと待っていました。途中、蒸気がシューッとでてきて、炊き立てのお米の甘い香りがしてきます。
もち米が蒸されると、ふたを開けてもよし、と親からお許しが出ます。
ふたをあけるとたくさんの蒸気とともにぷっくら膨らんだもち米がツヤツヤと光っています。
餅つきスタートボタンを押すと、マシーンはブゴォォォとすごい音を立てて動き始めます。最初はただ振動しているだけ。
それがしばらく経つと、もち米が中心に向かって輪のように回転し始めます。
つぶつぶ だったもち米が少しずつつぶれていき、繋がって餅に近づいていきます。
もち米が、お米と餅の中間にきたら、持っていたスプーンをその中心部に突っ込みます。
マシーンの引力に負けないようにスプーン1杯分の餅未満のもち米をすくうと、それを頂きます。あっつあつで、少し粒がふれて、めちゃくちゃ美味い。きなことか醤油とか、逆に不要。
そのまましばらく見ていると、機械はさらにしんどそうな音をあげはじめます。たぶん餅の弾力と戦っています。ブグォンブグォンいわせながら、だんだんと粒が消えて丸くなっていく餅。
30分も経つ頃には餅はもちつきマシーンの中で暴れまわります。ゆっくりと回ったり、スライムのようにぐねぐね動いたり、かと思ったら猛烈なスピードでぐるんぐるん回転したり。
あと1分で終わるころ、もう1度持っていたスプーンをマシーンの中心に突っ込みます。
今度はスプーンをしっかりと握っていないと、暴れ狂う餅にスプーンごと持っていかれるので注意が必要です。餅と綱引きをしながら渾身の力を込めてひっぱりあげると、みにょーーーーんと餅を釣り上げることが出来ます。
あっつあつの、あとっちょっとでつきたての餅を頂きます。めっちゃくちゃ美味い。真っ白で美しいシルエットと、つやつやの舌触りと、炊き立てつき立ての香りが、五感のすべてを持っていきます。
ピーッピーッとマシーンの終了音がなると、親はその餅をどでかい長方形のタッパーに流し込みます。ちょっとした机ぐらいの大きさです。そしてそれを平らにならすと、翌日までそのまま放っておきます。
次の日、カチコチにかたまった巨大な机みたいな餅ができあがります。
親はそれをさいの目状に包丁でカットします。だいたいお店で売ってるのと同じくらいの長方形の餅がいくつも出来上がります。
お正月の何日間はその手作りの餅を毎日食べました。
途中からひび割れたり、カビ生えたりしてくるので、冷凍した方がいいと思うのだけど、なぜかいつも常温のまま机の上に鎮座していました。
おやつは勝手に餅を焼いて食べてくれ、と、雑煮を食べた後に言われますが全然イケる。
磯部焼、2度付け醤油、砂糖醤油、お雑煮、手を変え品を変え、毎日食べても飽きることなく食べられます。
大人になった今はもう、全自動餅つきマシーンの出番はなくなってしまいました。スーパーでは間に切れ目の入った餅が売られています。
(あれはどうしてトースターに入れると膨らんだ方が下になってしまうの?大事なところが網にくっついてしまうじゃないの)
四角い餅は定番の、間違いない、美味い餅です。
▼つづいて丸い餅のターンです。
▼全自動もちつき機の動画を見つけたので貼っておきます。
▼欲しくなっちゃった方はこちらもどうぞ
#66日ライラン 6日目
実は昨日まで、タグだけつけてマガジンに追加するボタンを押していませんでした💦