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大きくなったらつくりたいモノ
くるくると地球儀を回しながら、
じっと何かを一生懸命探している女の子がいた。
何を探しているの?と訊ねると、
「わたしの好きな色の国があるんだけど
見つからないんだよね〜」とのこと。
おそらくお気に入りの国旗があるようだ。
ゆっくりと回しながら、じっくりと探していたが
見つけることができなかった。
すると、一緒に探していた隣の子が
「きっとそれ新しい国なんじゃない?
新しいからまだのってないんだよきっと。」と言った。
「あ〜そうかもね。だからないのかも。」
となぜか納得した様子の女の子。
ふたりは続けてこんな会話をしていた。
「わたしもかわいい国、つくりたいな〜」
「ね、大きくなったら国つくろうかな〜」
「いいよね、国つくってみたい!」
そんな会話を隣で聞いていた私は
「そんなの大変に決まってるじゃん!」と言葉を出す寸前だったが、
ふたりのあまりにもわくわくとした表情と無垢さから
何だか不可能ではないことのように思えてきて、
「いいね、いつか楽しくて幸せな国、つくってね!」
なんてつい言葉をかけてしまった。
“将来、僕/私は国をつくるぞ!!!”
いい歳をした大人がこんなことを言ったら、
おいおいどうしちゃったんだなんて思われるだろう。
身近な人がこんなこと言い出したら心配するだろう。
でも、こどもが純粋に思った
「国をつくってみたい!!!」の気持ちは
何だかとてもキラキラしたものだった。
そして、どんな国をつくってくれるのだろうと
ワクワクした気持ちさえ芽生えていた。
そんなの無理に決まってる、
言えるうちに言っておけ
そんな言葉、彼女たちには
聞かせたくないと思った。
聞いたとしても、彼女たちには
そんな言葉などきっと何の効力もないだろう。
ただただ、わたしは彼女たちがつくりたい国がどんなものなのか、
今を生きる彼女たちが描く未来を知りたくなった。