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丸紅ギャラリーでキルト鑑賞

東西線竹橋駅近くにある丸紅ギャラリーへ、母と初めて行ってきました。

丸紅ギャラリー公式サイト アクセスより


正直、丸紅ギャラリーの事は全く存じませんでした。
竹橋駅近くにある美術館、と言えば東京国立近代美術館が有名ですよね。

実はたまたまGoogleが勧めてきた広告で知ったのがきっかけで。
もう、Googleには好みや行動パターン、バレバレですよね。

母と銀座に買い物する予定があり、その後に疲れない程度に鑑賞できる美術展がないかな、と思っていた時でしたので詳細を見てみると、なんだか面白そうです。
入場料ワンコイン五百円なのもお手軽でいいな、と思いました。

丸紅ギャラリー パンフレット


八幡垣睦子は、欧米の伝統的なキルト技法を土台としながらも、日本の素材である江戸時代から昭和時代の古い染織品の小裂を、入念な構想のもとに、多い場合には数千枚も縫い合わせて花鳥風月など日本の伝統的モチーフを独自の感性で再現し、芸術性の高い作品に蘇らせています。
「後世へ伝承する一助になりたい」という八幡垣のことば通り、染織品の古裂が別の芸術品へと変容(メタモルフォーゼ)した彼女の作品には、古裂が既に内包する物語が継承されるとともに、作家の新たな思いも込められています。私たちはそれぞれの作品から、当ギャラリーのコンセプトに通ずる「古今の美意識が響きあう」複層的な物語に思いを馳せることができます。

丸紅ギャラリー公式サイト 企画展ページより  


元々キルトにはそれほど興味がなかった私ですが、日本の古い布地を使って、というのに興味がわきました。
藍染の襤褸(BORO)などは見ていて飽きませんしね。

https://www.gallery-kojima.jp/boro/%0A

                    ✳︎

竹橋駅からは迷わずに行けました。綺麗で精錬された建物です。さすが丸紅。

いつもなるべくカード決済で支払っているのでその時は気がつきませんでしたが、現金は不可のようです。現金のみのところもまだありますが、これからは日本もそんな施設が増えてくるんでしょうね。

最初の何枚かだけは写真撮影可だったので、ご紹介を。


『鳳凰』220 × 230  2023年

打掛や帯を使ったなんとも神々しい作品でした。
朱色が効いていますね。

丁度中国古代史のオープンカレッジで鳳凰の事を勉強していたので、タイムリーでした。鳳凰、国や時代によって随分姿形が変わる様です。


『悠久の舞い』 180 ×205   2023年

華やかでお正月にふさわしい感じの一枚。着物と帯を使っているようです。多分華やかな着物だったのでしょうね。「扇」や「緑」の文字も縫い取りではなく、綺麗な布地を使っていました。当然なのですが、縫い方にも色々あり、縫い目をわざと見えるようにしてあるのもあったり、文字部分の様に見えないようにしているのもあり。細部にわたり、入念なバランス調整を感じました。

見ていておめでたい気分になります



『いずも朱鷺』
   180×205  2010年

最初、「あ、朱鷺!」と、てっきり佐渡をイメージしましたが、出雲でして。
でもよく考えたら出雲キルト美術館と共催なので、当然でしたね。

朱鷺に思い入れがある事を差し引いても、非常に雄大で素晴らしい作品だと思いました。

⬇️こちら近くから撮ったもので、多少質感が分かりますでしょうか。

自分で色を塗る絵画と違って、手元にある限られた古布で美しい彩りで形作っていく、というのはセンスがないと出来ないですよね。
朱鷺もそうですが、背景も一色ではなく。ため息ものでした。

母は常日頃お花を生けているので色遣いに関してとても敏感で、とても勉強になったと言っていました。
そう言えば台北の布地街でも色々並べて選んでいたな、と。

展示自体は二十数点でしたが、私たちには丁度良かったです。逆に五十点あったら途中で疲れてしまったかもしれません。

写真撮影不可の作品も、当然ながらとてもきれいで素晴らしい作品ばかりで眼福でした。

島根にまた行くことがあれば、是非、出雲キルト美術館にも立ち寄りたいと母と言いながら帰途につきました。

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