「同志少女よ、敵を撃て」 〜逢坂冬馬〜
ずっと前から読みたかった、逢坂冬馬氏の「同志少女よ、敵を撃て」を読了しました。第11回アガサ・クリスティ受賞作品です。選考委員全員が全員満点をつけたのは、アガサ・クリスティ賞史上初めてだそう。
480ページあまりの長編を一気に読み終えてしばらく、ぼーっとしていました。あまりにも強烈で現実の世界に思考がついていけず。
感想はうまく書けません。
10代の、ドイツとの架け橋になるべく外交官を目指していた少女が、狙撃兵となって敵を撃つことしか考えられなくなっていく過程は、かわいそう、や酷い、だから戦争は…等のありきたりな言葉で表せるような事ではなく。
2021年に出版された本で、ロシア・ウクライナの戦争が始まった(ロシアが侵攻した)のが2022年の2月24日。今気づきましたが丁度、丸2年経ちます。
私は世界情勢には疎いのですが、その年オープンカレッジでBBC等の関連記事を随分読んでいました。おかげで、ウクライナの地形やあまり日本では報道される事のなかった出来事、ロシア人やウクライナ人の心情について多少なりとも知っていたのが幸いしました。勉強は大事ですね。講座を受けていなかったら、おそらく読み取れなかったところもかなり多かったように思います。
無知を晒すようで恥ずかしい限りですが、どうしてロシアがあれほどまでにウクライナのアゾフ連隊をネオナチとみなして憎んでいるのか、2022年に講座を時点では今ひとつ分かっていませんでしたが、この本を読んで腑に落ちました。
この最終章のシンプルな数行が、全てだと思いました。
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