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概要タイトルのまま、ただ髪を切っているお話です。 小説情報文字数 :4,400文字程度 断髪レベル:★★★☆☆ キーワード:ベランダ、カットクロスなし、相互視点 項目の詳細はこちらをご覧下さい。 本文 「今から髪を切ろうか」 自然と口にしていた。仕事の忙しさからどこかへ出かける気も、かといって家で何をする気にもならず初音と部屋着のままダラダラ過ごしていた、ある休日の昼下がりのことだった。 最近の彼女は伸びてきた髪をゴムで一つにまとめ、前髪も目にかからない
あらすじ小説情報文字数 :5,900文字程度 断髪レベル:★☆☆☆☆ キーワード:高校生、美容師志望、少女漫画風 項目の詳細はこちらをご覧下さい。 本文0.プロローグ 「ここ。今開けるから」 目の前のガラス扉には“CLOSE”のプレートを吊り下がっている。それを気にかけることもなく、真新しい紺色のブレザーを着た男子高校生が慣れた手つきで鍵を回し、音を立てて開け放つ。 先へ進んでいく男の子に付いて足を踏み入れた瞬間、ツンと鼻をつくような美容室特有の香りが漂
あらすじ 小説情報本文 部屋の片付けがひと段落して、髪を一つに纏めていたシュシュを外すとふわりと背中に広がった。高校を卒業して上京したばかり、春から大学生だ。実家から持ってきた荷物や家具で簡単にこのワンルームの部屋を埋め尽くしていた。 東京駅から二つの路線を乗り継いで、降りた駅から十分ほどの歩いた場所にある学生街の変哲のないワンルーム。東京駅に着いてここに辿り着くまでずっと驚きの連続だった。歩く道はどこまでも舗装され高い建物ばかり、そしてどこを歩いても人がいて年齢も服装
本文 彼女の誕生日が近づいていた。お互い大学生で付き合い始めて日も浅い。欲しいものがあるかもしれないと尋ねてみた。 「仁奈、誕生日プレゼントはなにが欲しい?」 「バリカン!」 即答だった。意外すぎるものに聞き間違えたかと「もう一回いいかな」と聞き直した。 「バリカンが欲しい!」 どうやら聞き間違いではないらしい。 「えっと……それは髪を切るときに使うあの?」 もしかしたら想像と別の可能性があるかもしれない。例えば最近流行りのゆるキャラの名前とか。 「
※注意あらすじ小説情報本文 「君さ、断髪フェチだったよね?」 そう口を開くのは目の前に座る十年来の友人だ。顔が赤い。居酒屋に入ってからビールジョッキ三杯を空け、彼は既に酔いが回っているのかもしれない。 「また突然だなぁ。俺、そんなこと言ったか?」 ははっと、とぼけてみせたものの朧げながらに覚えている。随分と前に酔いに任せて、そんな話を長い付き合いである目の前の友人に告げた気がする。どうしてだったかは覚えてないが、あのときはどうしようもなく吐き出したくなって彼なら聞い
本文 短髪の女の子が好き、そんな僕の恋愛遍歴を語ろうと思う。 最初に自覚したのは中学のとき、そこそこ可愛かったクラスの女子が部活で刈り上げショートにしたのが発端だ。そこら辺の男子と変わらない髪型で女の子っぽい可愛さがなくなったというのに、なぜかドキドキとして、その子の姿をずっと目で追っていた。それなのにその子が夏に差し掛かるころに部活を辞め、髪を伸ばし始めると波が引くように興味を失い、どうでも良くなった。自分でも不思議で仕方なかった。 不思議な感覚を持て余したまま高
※注意本文【彼女の場合】 彼と付き合い始めて数ヶ月経った頃に誘われた。フェチで欲が高まったときに自分で処理するのと何が違うのかを知りたくて、二つ返事で承諾をしていた。 ◇ 「い、いい?」 彼の緊張が伝わってくる、そんな声音だった。伝染したかのように私の心臓もドクドクと脈を打ち始め、出そうとした言葉が喉につっかえた。かろうじて小さく頷いた。 ボタンを外す手つきの覚束ない彼がちょっと愛おしい。 ーー私は初めてだけど、きっと彼も同じなんだ ここに来るまで初めて
※注意本文 二人はベットの上で正座をするように向き合っていた。どちらも俯いているのはこれからすることがお互いに初めてで緊張しているからかもしれない。 【彼の場合】 「い、いい?」 ーーうわっ、声が上擦った。かっこ悪りぃ こうするつもりで誘ったのに、もっとスマートにエスコートできるつもりで何度も頭の中でシミュレートしたのに、想像と現実はまるで違う。頭の中は真っ白だし、ただ心臓がドクドクとうるさい。 彼女いない歴イコール年齢だった僕に彼女ができた。同じバイト先でシ
※注意(性的表現を含みます)あらすじ小説情報本文 彼が髪を切った。さらさらと音がしそうなストレートの長めのメンズショートだったのに、トップは立ち上がりそうなくらい短いし、サイドもバックも短く刈り上がっていた。それを見るだけでもぞわぞわと下肢が疼いてくる。 ◇ ベッドの上でその彼、省吾に組み敷かれていた。彼はトップスを脱ぎ捨て、ソフトに引き締まった上半身を晒しているし、私はワンピースを剥ぎ取られ、あっという間に下着姿だ。 「……美帆のナカ、もうどろっどろ」 ぴちゃぴ
あらすじ小説情報本文 紘斗 は気怠そうにベットに横たわっている 英里奈 を横目で見やる。 ――英里奈に坊主にしてもらうといつもこうなる。 夏の県大会予選で敗れ甲子園のない夏、三年が引退し、秋の大会に向け部活の練習は二年と一年の新チームが作られつつあった。 部活が終わり、その足でマンションの隣に住んでいる幼馴染の英里奈の家に立ち寄った。バリカンを持って「やってくれ」といつものようにお願いして、いつものように五分刈りにしてもらう。終わるとどちらからともなく求め、英里
あらすじ小説情報本文 「ただいま」 夫の亮介が帰ってきた。妻の紗英は今日はいつもより遅かったなと思い、出迎えるために玄関に向かう。 「おかえり」といつも通り声をかけた。ふと亮介を見ると、髪がスポーツ刈りまで短くなっていることに驚いた。「ずいぶん短いね」と聞くと、「暑いし、なんかスッキリしたくてな。さっばりしたよ」と頭に手をやりながら答える。 雰囲気がずいぶん変わった夫にドキドキしながら「ご飯できてるよ。」とリビングに向かった。 「夕飯は何?」 「生姜焼きだよ」
あらすじ小説情報本文 夫は自由だと思う。髪が伸びれば切る、それ自体は当たり前の事かもしれない。大多数は床屋に行くのだと思う。夫はその時の気分によって変わる。気になって仕方ないのか、突然自分で切ったりもするし、普通に床屋に行く日もある。 そして時には、妻である私に切らせたりもする。何ら技量がある訳ではないので、バリカンで坊主にするしかできない。 坊主になっても夫は文句一つ言わないし、いつもと変わらない態度だ。彼にとってはたかが髪なのだろう。その感覚が私とはまるで違うも
あらすじ小説情報本文 ジャーと蛇口から水を出しシンクで洗い物をする。今日は休日で夫の真也と二人でお昼を食べた後だった。妻の三佳と真也は結婚して三ヶ月が経つ。だいぶ二人での生活に慣れて来た頃だった。 「なぁ、髪はいつ短くするんだ?」 藪から棒に夫から聞かれた。 「え?あぁそうね。今度、美容院に予約するわね。」 そう言ってはぐらかす。三佳の髪は背中を覆うくらいの長い髪である。結婚式の為とはいえ、せっかく伸ばした髪を短くするのは、なかなか抵抗があった。三ヶ月間、何かと
あらすじ小説情報本文 明彦と遠距離恋愛となって三ヶ月が経った。人員補充の為と突然の地方転勤だった。期間は決められていない。 彼と私は学生時代から東京でずっと一緒だった。これからも変わらないと思っていた。急な話で仕事を辞める訳にもいかず、付いて行かなかった。 電話やメールで連絡は取っていた。最初こそ寂しかったが、時が経てば一人の生活にも慣れ、寂しいという気持ちはだんだんと薄れていった。 一方で明彦は会えなくて寂しそうに見えた。ただ休日が合わず、東京に来てもらうのも