#4【営業ノウハウ】商談メモのススメ
タイトルをご覧になられて、こう思われた方がほとんどでしょう。
「は? 商談の議事メモ書くなんて基本中の基本じゃん」
そうですね、それはその通り。
しかし、そのメモを読み返すことは何回ありますか?
ラップトップでカタカタ打って、メモ取りながら議事録になっちゃうんだぜ、効率的!なんて言っちゃってませんか?
今回オススメするのは、あくまでも私のやり方です。
私は商談の際には必ずノート(ルーズリーフをまとめられるスマートバインダー)を持ち歩き、手書きで商談メモを取ります。
商談中にキーボードカタカタが失礼とか、営業は手書きだろとか、そんな野暮ったいことを言いたいのではありません。
手書きメモの利点は以下の通り。
①記憶に残りやすい
②議論やヒアリング結果を図式化しやすい
③あとで正式なメモに書き起こすときに頭が整理される
特に③が重要です。
①記憶に残りやすい
有名な話であり最早常識ですが、人間はキーボードを打つよりもペンを握って文字を書いたほうが記憶に残りやすいです。
※参照:東洋経済Onlineの記事
キーボードでメモを取ってそれがそのまま議事録になるほうが、なんだか賢く見えるし効率的な気がするし仕事ができる風ですね。ですが、あくまでも”っぽい”だけです。仕事できる気がしてしまっているだけです。
あ、もちろんPCでメモしててもちゃんと記憶に残る人もいらっしゃるとは思います。
②議論やヒアリング結果を図式化しやすい
当然ながら手書きは自由度が高いので、重要な部分に下線を引いたり丸で囲ったり矢印を引っ張って因果関係を表したりできます。
文字だらけよりも図入りのほうが視覚的にわかりやすいのは自明ですね。
ただこれだけだと、「タブレットで手書きのままデータ化できるアプリあるよ!」とドヤ顔される方が出てくるので、利点としては少し弱いと思います。
③あとで正式なメモに書き起こすときに頭が整理される
上で最も重要と申し上げたのがこれです。
手書きだと当然後からSFAに記録を残したり報告するために、ちゃんとした議事の体裁にまとめ直さなければなりません。
二度手間、非効率。そう仰る方も多いでしょう。
しかし、この二度手間こそ真に重要なプロセスなのです。
ヒアリングしたら、その内容を基に提案書を作りますよね。
その段階で、PC派の方々はラップトップの画面に表示された味気ない文字の羅列を眺めながら、鼻と唇の間に鉛筆を挟んで(古い)、優先度の高い課題や訴求ポイントの整理、提案書のシナリオやスライドのレイアウトなどを考えるのだろうと想像します。
このとき私はどうしているか。
手書きのメモの要点を抜き出して整理しながら議事メモを書き直している間に、訴求ポイントの整理や提案書のシナリオが勝手に整理されています。
また、図式化されたものを見ながらスライドのイメージが勝手に浮かびます。
比較したことがないのでわかりませんが、しっかりした提案書を仕上げるのにかかる時間は平均よりだいぶ短いのではないかと自負しています。
また、メモのとり方もただ乱雑に殴り書きするのではなく、少し工夫をしています。
左上にその商談の目的や確認及び合意すべきことを書いておくことで抜け漏れをなくし、右上には結論(合意事項)やNext Actionをサマっておく。
左側は主に事実を整理しておき、右側には解決策の案やお客様が実現したいこと、もっとこうすればより良くなるのでは?ということを書くようにしています。
お客様に正しく価値を伝えるために、品質も勘案した生産性向上のために、この一見無駄に思える整理術がとても有効だと考えています。
昭和だなんだと敬遠せずに、一度試してみては如何でしょうか?