虎に翼112話(重遠の孫)
反町「本件の争点は
原爆投下が国際法に違反しているか敗戦後 放棄した米国への損害賠償請求権の補償義務を国が負うべきかであります」
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竹中「突っ立ってないでこっち座れよ お嬢ちゃん。
雲野先生に頼まれてね。
『この裁判を記録してほしい。
できれば世に知らしめてほしい』って。
そろそろ あの戦争を振り返ろうや。
そういう裁判だろ?」
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轟「保田教授は『原告側の主張はまっとうで原爆投下が国際法に違反するのは明らかだ』と鑑定結果に記されていますその理由を伺ってもよろしいですか?」
保田「国際法は生命身体 心の安寧の保護つまり『人道の初等的考慮』が最も基本的な原理だ。
原爆投下はそれらを全て奪い不必要な苦痛をもたらした。
非交戦者である一般市民に惨害を及ぼす無差別爆撃を禁止する原則に背いているんです」
嘉納「結論から申しますと
原爆投下が国際法違反だとは必ずしも断定できません。
原子爆弾は新しい兵器であるために原子爆弾そのものを禁止する規定は投下当時も現在も国際法上には存在しません。
ハーグ陸戦条約や毒ガス兵器など 類似のものに関する制限規定があるとしても 安易な類推解釈は絶対に許されないと考えます」
反町「原爆投下を国際法違反と断定すれば 国際社会の秩序を維持するための国際法そのものを ゆがめることになると?」
嘉納「法学者としては
そのように指摘せざるをえません」
よね「国際法上 禁止されていなければどんな残虐な戦闘行為でも違法ではない・・。そう嘉納教授はおっしゃるのですね?」
嘉納「そういうことではございません」
(ここが突っ込み処だ‼︎
例えば「原爆投下は残虐ではない と?」...
更に「原爆投下が国際法違反だとは必ずしも断定できません」の証言に対し「原爆投下は国際法上合法であったとお考えですか?」と...)
よね「質問を変えます。いくつかの国際法に『戦闘における不法行為を行った国には損害を賠償する義務がある』と定められています。この義務は国家間にのみ発生するのでしょうか?」
嘉納「国際法の原則では不法行為による損害賠償は被害者個人ではなく
国家が請求することになっています」
よね「では日本国民個人がアメリカに対して不法な戦闘行為による損害賠償を求めても。
不可能であると?」
嘉納「日本国は
米国に対する損害賠償請求権を平和条約第19条において
放棄したとの解釈ですので法的には不可能だと考えます」
よね「主権在民の日本国憲法において個人の権利が国家に吸収されることはない。
憲法と 国際法および国際条約の規定と法的にはどちらを上位に考えればよいとお考えですか?」
嘉納「戦時中に今の憲法は存在しません」
よね「原告は『今』を生きる被爆者ですが?」
(裁判は、具体性で攻めた方がいいのでは?)
汐見「原告代理人。その言葉は質問ですか?」
よね「いえ・・・以上です」
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法の規定、運用に歪みがあれば、それを適用される社会や個人に皺寄せがいく。
個人の認知機能、認知内容の正常範囲内での歪みは、話し合い(家族裁判?)で 一応解消される。
更年期障害、認知症・・・正常範囲から異常へとはみ出していく歪みに対しては、「話し合い」だけでは済まなくなる。
どちらも、その先の対処法を必要としている。
余貴美子さんの名演技に、どう対処するのだろうか?
老婆心はこれくらいにして...
光
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優未「おばあちゃん ごはん炊くの忘れてるよ」
百合「んっ?それは優未ちゃんがやるって言ってたじゃない。
私 そう頼んだわよね?」
優未「そうだっけ?」
航一「図書館に行ってきました」
寅子「更年期障害?」
航一「最近の寅子さんの様子が気になっていまして。
素人判断は禁物ではありますがこれではないかと。
あと...いくつか調べ物をしてきました。
百合さんのことです。
恐らく 老年性痴呆というものが始まっているのではないでしょうか」
のどか「洗濯物干したから、
もう行くね」
百合「のどかさん
早く行かないと..
大学に遅れますよ」
のどか「大学じゃなくて 銀行ね。だから お勤めに行くの。
毎朝 説明してるでしよ」
百合「これはどういうこと?
航一さん。
私をのけ者にして
みんなで楽しそうにしちゃって」
寅子「ごめんなさい。
いつも
お義母さんに作って
いただいてるので
今日は私たちが って」
百合「あらそう?」