100年先も変わらないものってなんだろう
『100ねんごも またあした』
先日、こちらで辻村深月さんが作者の絵本『すきっていわなきゃだめ?』に出会った衝撃を書き残したあと、もう一つ発見した絵本企画がありました。
Xのタイムラインに現れたそれは、またまた二度見必至の情報でした。
ん?なんですと? 瀬尾まいこさんが絵本を?
あの瀬尾まいこさんですよ。いうまでもなく『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』などが映画化された、わたしも大好きなベストセラー作家さん。絵本を出版されていたとは知りませんでした。
参加されたのは「100年後えほん」シリーズとのこと。瀬尾まいこさんは記念すべきシリーズ第一作目を担当されています。
読めば、くりはらたかしさんの明るくポップな絵が本文にマッチしていて、次が知りたくてページをめくるのが嬉しい。100年後の未来ってどうなっているんだろう?と読みながらわたしも一緒に考えました。通いなれた学校、そこに広がる空と街。明日が来ることが楽しみになる一冊でした。伝わったのは100年後もきっとかわらないこと。「またあした」のことだま。絵本の良さがあふれていて、今後さらに出版されるシリーズ各本に出会えることを今か今かとワクワクして待ちたいと思います。
100年を考える
思えば100年って結構“大きいのに身近な単位”な気がします。中にはそこまで生きることができる方もいらっしゃる年齢で、現実的でもあり非現実的でもある不思議な時間に感じます。近年人生100年時代なんて言葉も聞くようになりました。
一方でこの年月をふりかえると、100年前は大正時代。スペイン風邪が大流行し関東大震災も起きた時代。また、政治や文化も変化を迎えたころでした。今も流行り病や自然災害は同じく続いていて、大きく生活は便利になりましたが、人々の心配ごとや願いは今も100年前も同じなのかもしれません。
よく耳にする言葉でいえば、嵐さんはとある歌で100年先も愛を誓っているし、米津玄師さんは「100年先のあなたに会いたい消え失せるなよさよーならまたいつか!」って歌ってる。一青窈さんは、「君と大好きな人が百年続きますように」って歌っていました。
こうしてみると、“願い”というキャッチボールのボールを投げる距離のような ものさしにおいて、100年という目盛りは歌詞になるほどにみんながイメージしやすい指針なのだと思いました。そこに届けたいのは今も昔もきっと変わらぬ想い、100年は届くといいなと思いを馳せる地点なんですね。
ちょうど今月は七五三。平安時代から子どもたちの長寿幸福を願った気持ちも、きっと100年先もかわらないものの一つですね。子どもたちの未来に楽しいことがずっとありますように。
読んでいただきありがとうございました。
桜
(めちゃくちゃ余談ですが、大中小グレー青白の3種類いるトトロをご存知ですか?白色の小トトロは100歳だそうです!今回はじめて知りました。)
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