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楽しすぎた湯俣温泉


山に登って下山したら、温泉に入ってさっぱりして帰りたい。
だから下山は温泉がある方へ向かいたい。

そこで気になっていた「湯俣温泉」
来年は裏銀座を歩いて、真砂岳から湯俣温泉に降りるコースはどうかと地図と睨めっこする。

山と高原地図には、
「登り下りともきつい」と書かれている。キツイって言っても、難しいルートがあるわけでは無さそうだけど、、

気になって、気になって、温泉も伊藤新道も気になって、偵察へとやってきた。

「湯俣温泉」は
長野県信濃大町駅から裏銀座バスで、七倉山荘前まで行き、そこからタクシーに乗って高瀬ダムまで登ると、後はダムと渓谷に沿って歩く事3時間で到着する秘湯だ。

高瀬ダム 日本で2番目に大きいらしい
東京電力のダム


タクシーを降りると、右のトンネルがブナ立尾根、左のトンネルが湯俣温泉へ向かう道。

暗く長いトンネル


長ーいトンネルを抜け、林道の終点まで1時間歩くと、登山口となる、と同時に、ダムは渓谷へと変わり川幅も狭くなり、深い渓谷の景色へと変わる。



明るい森の登山道は、沢音が終始心地よい、こんな道は大好きだ。


湿り気の多い足元には、苔やキノコがたくさん生えている。
食べられそう?なんて思いながら歩いていると、名無し避難小屋に到着した。
ここで、長めの休憩とブランチだ。

いつもパスタだな、桜海老とキャベツのパスタ


お腹も満たされて、更に歩くと硫黄のにおいがしてくる。すると見えてきた、今日泊まる青嵐荘。



かわいい湯俣山荘を通り越して進むと、

「えっ、えっ、何これ?」

アスレチックによくあるやつ、
箱の様なものに座って、ロープを手で手繰り寄せる様に動かして、対岸に渡るのだ。

秘湯に入るのは大変


怖っ、結構高い位置に作られている、落ちたら川の中だ。
最初、大きなザックが邪魔をして、しっかりと座れない、焦る、変な汗が出てくる💦
座ったはいいものの、箱が勝手に動いていかない様にカラナビで固定しているのだが、それが取れない、またまた汗が💦
お尻を上げて、カラナビを外して、
慌てて座りスタート。最初は勝手にスッと動き出したが、真ん中まで来たら止まってしまった、下は川だ。
さっさと行こう!と必死にロープを手繰り寄せる。重くて動かなーい!
もたもたしていたが、やっと川を渡り切り、広い河原に降り立つ。

ようい!スタート!
無事に対岸に着いた〜



12時過ぎに青嵐荘に到着、
宿泊の手続きをするが、温泉入浴は3時から、今年は湯量が少なくて、男女入れ替え制との事だ。

入浴出来る時間まで、
外へ出て、タープが張ってあるベンチの下で、コーヒーを入れる。


タクシーを相乗りして来た男性と、ここで再び一緒になり、
お風呂に入れる時間まで何をしようか?と言う話になった。
湯俣温泉は青嵐荘の温泉もいいが、地面を掘り進めると、どこでもお湯が出て、自分1人だけの温泉に入れる、と言うのも魅力らしい。
その場所を探して、河原を歩くとあった、あった!親切にスコップも置いてある。


川の手前がの水溜まりが熱の湯
他の方が掘ったもの



「熱の湯」とあるが、45℃ぐらいだろうか?ずっと足を入れていると、熱い!
川の水を取り込んで、薄められるところへ移動して、足だけあったまる。
大自然の中、沢の辺りで足湯に浸かる。楽しーい!
体力のある男性なら、自分の体がすっぽり入るくらいの穴を掘って、マイ露天風呂にする様だ。

川に足を入れている様だけど、地面は熱い



足だけだけど、体まであったまって宿に行く。今日は10名の団体さんの宿泊があると言う、御一行様が到着する前に、お風呂に入る。一番風呂だー。
白濁した硫黄の香りがするお湯は、暑くもなくぬるくもなく、丁度いい湯加減だ。汗を流し、さっぱりした。

外の風に辺りにいく。
深い渓谷の中、ゴーゴーと沢音が聞こえるが、時間は静かに流れていく。

こんな山奥で、インドの青鬼



ここ湯俣温泉のもう一つの魅力は
温泉の成分が堆積して小さな丘になった噴湯丘(ふんとうきゅう)がある事、その周りは温泉がたくさん湧き出ていて、源泉もそちらにあると言う。今回この噴湯丘の見学も目的だ。

ただ、ここに向かうには、沢を2回渡らなければ行けない。
先程の男性は近くまで行って、

「沢登りの経験がない人は難しいかもしれない」

と、行ってきた人からアドバイスされて、戻って来たと話していた。

しかし、
ここまで来て、それを見ないのはもったいない。
ビールを飲み終わり、夕飯までしばらく時間があるのでその場所まで歩いてみる事にした。

また、あのジップラインを渡り、川の対岸から、湯俣川を上流に向かって歩いていく。

一部壊れています、自己責任で渡ってください、と書いてある橋を、恐る恐る渡る


途中、壊れかけた橋を渡り、山の神様の鳥居から、下へロープを伝って降りると、前方に湯気が上がっているのが見える。



だが、
その場所へ行くには、切り立った山の幅いっぱいに流れている川の中を歩き、更に上流へ行かなければならない。足を入れると温泉の湯で川の水はぬるくて気持ちいい。しかし、温泉成分で濁った水で、川底が見えづらい。水かさは膝下ぐらいある。

一歩足を入れただけで、先へ足を進めるのは怖くて諦めて、引き返す事にした。
噴湯丘も見えなかった、残念だ。
ただ、岩壁にはロープが張ってあり、上手にロープを手繰り寄せれば、歩けそうではあった。

明日、もう一回チャレンジしよう!
夕飯の後、もう一度お風呂に入り、9時に就寝した。

つづく

夕飯は噴湯丘をかたどったライスに、スパイスの効いたカレー

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