上高地の過ごし方いろいろ (上高地でバカンス その3)
大正池方面を散策しした。
キャンプ場に戻る前に、熱ーい足湯に沢水を入れていい湯加減にし、散策の疲れをとりながら、温まる。
キャンプ場の売店は6時で閉まってしまう。その前に今晩のお酒を仕入れなければ。
いそいそと売店に向かう。
「ビール、何本飲む?ワインは持ってきたよ。」
Yちゃんが言う。
ワインがあるなら、ビールは2本くらいにしようか?って、どんだけ飲むんだ。
夕飯を作りながら、まず乾杯!前のテントのおじ様が、
「お!宴会やってるね。」
と、声をかける。
朝から一度もお目にかかっていない隣のテントの住人がお帰りになった。女性だ。こんにちは、と挨拶すると、
「朝、4時に出発して焼岳登ってきた。」
と言う、平湯温泉に下山して温泉入って、帝国ホテルでスイーツ食べて帰ってきたそうだ。そして夜の散策にまた出かけていった。
ここを拠点にして、荷物を軽くして
周辺の山を登る、そして温泉とホテルのスイーツ。
そんな上高地の楽しみ方もあるんだ。
その為に、このキャンプ場を利用する。
(ありだな、来年は私もそのコースで)
ふふふ、楽しくなった。
山登りの拠点に、このキャンプ場を利用している人は、就寝が早い。
私達の様に、キャンプを楽しみに来ている人達は、賑やかにテント前で夕飯を作っている。
カレー、お肉を焼く匂い、いろんな匂いがキャンプ場に漂う。
私達の夕飯も整ってきた。
辺りはもう真っ暗。
今日はYちゃんが用意してくれた食材で、ナスのラザニア、パンをトーストして。
私が持ってきたカボチャのサラダと、
ラザニアに入りきらなかった野菜もグリルして。
ラザニアはワインが合うね。
夕闇に沈んでいく穂高を眺めながら、
お腹いっぱい食べて、
涼しい風にあたりながら、たくさん飲んだ。
心地よい気分で、すぐに寝てしまいたいところだが、数年前にこのキャンプ場に泊まっている女性が熊の被害に遭ってから、食材はテントに置いてはいけないことになり、専用の食料倉庫に入れなくてはいけない。
真っ暗な中、ヘッドライトをつけて、
明日の朝食分の食材を倉庫に入れに行く。
「熊ってワイン飲む?ワインは飲んじゃうよね、これはテントに置いていこう」
熊がワインを飲んで、酔っぱらっている姿を想像すると楽しいが、酒癖の悪い熊だったら、怖いよね。
外は肌寒くなってきても、テントの中は暖かい。夜行バスできた私は睡魔に勝てず、テントに入った途端に寝てしまった。
翌朝、
テントの外が明るい、5時。テントの外に出ると、梓川沿いでカメラを構える人、三脚を立ててその瞬間を待つ人で、賑わっている。
もうすぐ日が登る。
太陽が登るにつれて、
穂高の岩肌が先端から少しづつ、赤く染まる。
朝もやが現れたり、消えたり、ゆらゆらゆれる。
朝もやには虹がかかり、刻々と表情を変える。
なんとも言えない、素晴らしい光景が目の前で繰り広げられる。
テント泊でないと、出会えなかった景色、醍醐味、素晴らしい。
ここでキャンプしてよかった。ここにずっと住みたい。雪を被った穂高は、どんな朝を迎えるのだろう?
日の出のショーをたっぷり楽しんで、
朝食の用意をする。
トマトスープと、アスパラと卵のソテー
きゅうりトマトのサラダと、梨を切って。ご飯はお昼のおにぎり用にもと、多めに炊いた。
朝ご飯を終えて、
今日は、明神池方面に散策する。
明神池に行く途中、猿の家族にあった。
猿は上高地名物、必ず会う。
上高地初めてのYちゃんは、夢中で写真を撮っている。
そして明神池へ到着。
そして、上高地の歴史を話ながら、
嘉門次小屋へ。
お昼はおにぎりとフリーズドライのスープね、って言っけど、
これを見ちゃうとやっぱり食べたいね。
Yちゃんはイワナの塩焼き、
私はイワナがのったお蕎麦にした。
塩焼きもいいけど、甘く煮たイワナの甘露煮蕎麦、骨まで柔らかくて、だしの効いた蕎麦つゆと、ちょっと太めの田舎蕎麦と合って美味しかった。
ノリのいいご夫婦に、写真を撮ってもらって、
さぁ、テントの撤収の時間が近づいている。テント場に戻ろう。
テントを撤収した後は、
夕べ残したワインでお疲れ様。
今回の上高地バカンスでは、
どれだけ飲んだでしょう?飲み会キャンプの様だったけど、
とにかく景色が良くって、この日本離れした景色をたっぷり堪能する事が出来た。
上高地初めてのYちゃんは、
「日本じゃないみたい!」
を何回言っただろう。そして最後に
「私はここだけでいい、散策なしで、ここでまったりしたい。」
と、初めての上高地だからと、いろいろ案内したけど、自然そのままで充分楽しめたようだ。
「私も、一人用のテント買おう。」
Yちゃんが言った。
それぞれの上高地の楽しみ方がある。
いづれにしても、
この壮大な自然がいつまでも、いつまでも続きますように。
最後は温泉で締めて、
楽しかったです。
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