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本日の一曲 19世紀までのクラシック音楽

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連載「本日の一曲」のうち、19世紀以前のクラシック音楽をまとめました。
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#ヴァイオリン

本日の一曲 vol.468 バッハ ヴァイオリン協奏曲 (Johann Sebastian Bach: Violin Concertos, 1723)

ヴァイオリニストにとって、バッハ、ハイドン、モーツァルトというドイツ・オーストリアのバロックから古典派の音楽は扱いがとても難しい音楽です。ヴィルトゥオーゾ的なテクニックは使わないので、音をたどるだけであればむしろ易しい音楽かもしれません。しかし、言ってみれば、リスナーの要求が極めて高い音楽なので、迂闊な演奏はできないのです。また、音符が少ない分、解釈の幅が広がってしまうので、ヴァイオリニストが一生かかって取り組まなければいけない音楽だとも言えると思います。 ヴァイオリンの初

本日の一曲 vol.452 サラサーテ ツィゴイネルワイゼン (Pablo de Sarasate: Zigeunerweisen, 1878)

パブロ・デ・サラサーテさんは、1844年3月10日にナバラのパンプローナで地元の砲兵楽団長ドン・ミゲル・サラサーテ(Don Miguel Sarasate)さんの息子として生まれました。 ナバラは現在のスペインとフランスの国境のスペイン側にあるスペインの自治州で、古くはナバラ王国が栄えた地域です。日本で最も有名なナバラ出身の人物は、フランシスコ・ザビエル(Francisco de Xavier)さんだと思います😊 サラサーテさんは、5歳のときから父親にヴァイオリンを学び、

本日の一曲 vol.440 ザイツ 学生協奏曲 (Friedrich Seitz: Pupil's Concertos for Violin and Piano, 1890s)

フリードリヒ・ザイツフリードリヒ・ザイツさんは、1848年6月12日、現在のドイツ・テューリンゲン州ギュンタースレーベンの農家の子として生まれ、まだ十代の1866年に勃発した普墺戦争に従軍しました。 終戦後の1869年、ゾンダースハウゼン宮廷管弦楽団のヴァイオリニストとして採用、1876年にはマクデブルク管弦楽団のコンサートマスターとなり、マクデブルク音楽学校を創立しました。 本日ご紹介する学生協奏曲5曲は、マクデブルクで出版されていますので、この音楽学校の生徒さんに使

本日の一曲 vol.418 パガニーニ 24のカプリース (Nicolò Paganini: 24 Caprice)

ニコロ・パガニーニさんは、1782年10月27日に現在のイタリアのジェノヴァで生まれ、1840年5月27日にフランス・ニースにて57歳で亡くなりました。パガニーニさんの人生の前半はイタリアの地で過ごし、45歳の1828年3月のウィーンから始まり51歳の1834年6月のロンドンで終わる怒涛のヨーロッパ・ツアーの後、イタリアに戻り、ニースでの死までの晩年を迎えます。 パガニーニさんの楽曲の楽譜は晩年のときに大部分を焼却し、また死後残された楽譜も散逸してしまって、あまり残っていま

本日の一曲 vol.411 ローデ ヴァイオリン協奏曲など (Pierre Rode: Violin Concertos, 24 Caprice, 1813)

ピエール・ローデピエール・ローデさんは、1774年2月16日にフランスで生まれたヴァイオリニスト・作曲家で、ヴィオッティさんの弟子に当たります。 ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven)さんのヴァイオリン・ソナタ第10番(Violin Sonata No.10 Op.96, 1812)は、ルドルフ(ルドルフ・ヨハネス・フォン・エスターライヒ)大公に献呈され、大公はローデさんと初演を行いました。 アンネ=ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutt